西武は清水を巨人に返すな

「（背番号４は）長年、ライオンズに貢献してきた高木さんの番号。それを汚すことのないように頑張ります」

　１９日、西武の球団事務所で、巨人から金銭トレードで移籍した清水が入団会見を行った。すでに契約更改も済ませており、年俸は今季の１億１５００万円（推定）の半分以下となる５０００万円プラス出来高。左の強打者の補強が急務だっただけに、清水の入団はまさに願ったりかなったりだ。

　さる巨人関係者がこう言う。

「今季は４１試合のみの出場だったが、試合に出さえすればまだまだ活躍できる。それに、内角打ちに関しては球界でも３本指に入るほどの技術がある。口数は多くないが、練習の虫。出番が減ったここ数年も、遠征先の宿舎の広間や庭でナイター終了後に何時間も黙々とバットを振っていた。後輩に指導するときも懇切丁寧でわかりやすいと評判だった。巨人では多くの若手に慕われており、チームに与えた影響は大きい」

　西武は黒江ヘッドコーチが退団し、犬猿の仲だった大久保打撃コーチが増長するともっぱら。選手起用の全権限を握っていることをタテにアーリーワークなどを強要し、自分の指導を受け入れない選手を次々に排除している。

　巨人は清水に引退後の指導者の席を用意している。しかし、こういう人材をみすみすクビにした巨人に返してやることはない。愛人に対する暴行、隠し子騒動まで持ち上がっているデーブをクビにして、今すぐ清水打撃コーチ就任でもいいくらいだ。

（日刊ゲンダイ2008年11月20日掲載）