岡山放送局

2008年11月24日 10時1分更新

棟方志功と津山を語る講演会


世界的な版画家、棟方志功と岡山県の北部との関わりについて紹介する講演会が、23日、津山市で開かれました。

講演会では、鏡野町出身の詩人で、戦前から戦後にかけて棟方と親交があった柳井道弘さんが、「棟方志功とわたし」と題して語りました。

柳井さんは、昭和15年に大学に入学して上京したあと、棟方の作品を見て感動し、親交が始まったことや戦争が始まって柳井さんが軍隊に入隊した際、棟方から不動明王の版画をお守りとして手渡され、肌身離さず持っていたというエピソードを披露しました。

また戦後は、鏡野町に帰っていた柳井さんのもとを棟方が10数回も訪れ、県北部に多くの作品を残したことや、棟方が亡くなる直前に見舞いに訪れた際、日ごろ酒を飲まない棟方が酒を用意して別れの杯を交わしたことなどを紹介していました。

柳井さんは棟方からもらった不動明王の版画や肉筆画の作品などを見せながら棟方との思い出を語り、訪れた人たちは熱心に聞き入っていました。