2008年11月23日(日)
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「メタボ健診」受診率低調
電話、手紙−呼び掛けに躍起

十勝19市町村 平均17%台
5年後65%…未達なら罰則?


 6月から始まった「メタボ健診」(特定健診・特定保健指導)で、十勝管内の国民健康保険加入者による受診率が低調に推移している。19市町村の平均は現在17%台にとどまり、国が示した5年後の目標値65%には程遠い。54%の更別など健闘する町村もあるが、大半が10%台。目標に届かないと国から財政的なペナルティーを受ける恐れもあり、市町村は電話や手紙で受診を呼び掛けるなど受診率アップに躍起になっている。

 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群、通称メタボ)は生活習慣病を引き起こす原因と言われる。医療費の増加につながるため、国はメタボ予防で健診と指導を義務化。40歳から74歳までの保険加入者は特定健診を受ける必要がある。

 十勝毎日新聞社の調べによると、帯広市は国保加入対象者3万2867人のうち4146人が検査を受け、受診率は12.61%。町村では更別が54%で最も高く、中札内33.5%、陸別30%が続いた。一方で、鹿追4.85%、音更は5%台と低かった。

 伸び悩みの理由について各町担当者は、メタボ対策への関心が低いと指摘。「加入者のうち40、50歳代の自営業者らは働き盛り。仕事で忙しく、健診には行けないと言われる」と豊頃町。大樹町は「通院中の加入者も健診対象だが、病院の検査に加えてメタボの受診を−とは言いにくい面もある」と説明する。

 ただ、農閑期に入り、農業者の受診が増えるとみられ、各市町村は受診率アップに期待を寄せる。しかし、ある町の担当者は「各自治体は初年度目標を20、30%と設定しているが、農業者が受診しても達成できるかは微妙」とみる。

 こうした中、全道トップクラスの受診率を記録した更別村保健福祉課は「以前から健診の大切さを地道に訴えてきた。住民に定着すれば受診の案内を出すと来てくれる人が多い」と受け止める。

 目標とする受診率65%を下回るなど諸条件をクリアしない自治体について、十勝保健福祉事務所は「具体的内容は10年度に示される予定だが、後期高齢者医療制度(75歳以上など加入)の財政負担が加算される」と説明する。

 帯広市健康推進課は「健診対象者と受診済み、未受診のデータが蓄積され、来年度に生かせる。個別に健診実施を通知して健康づくりに関心を持ってもらえるようにしたい」と話している。
(児玉匡史) 

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