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児童精神科医NINAの診察室,少しずつ更新中です。
新コーナー,近日公開の予定です(…まだです,ごめんなさい!)。
ときどき,サイトのほうも覗いてみてくださいね♪
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前々からちょっと気になっていること。
「最近,発達障害ブームだから,何でもかんでもoverdiagnosis(過剰診断)気味だよね…」という,同業者からのご意見。
発達障害はとにかく今これまでなかったくらい脚光を浴びていて,だからこそどの患者さんにもやたらと診断をつけたがる医者がいる,とおっしゃりたいのだと思います。
きっと私は,そんな「overdiagnosis気味」な精神科医のひとり(笑)。
自分でも患者さんの症状や特性を結構広めにとって,たとえば主訴や主症状から考えられる診断がうつ病や摂食障害の患者さんに対しても「PDD(広汎性発達障害)の可能性あり」とか「発達障害の疑いあり」とか,判断しているという自覚があります。
でも。
それの何がいけないことなのか,なぜ咎められてしまうのかが私にはよくわからないのです。
たとえば,診断基準では「適応障害」に該当する患者さんが来られたとして,もしその方の抑うつが強ければ抗うつ薬を処方する,ということは普通によくあるはず。
そしておそらく,患者さん本人に対しても「『うつ』を和らげるお薬を出します」といった説明をする先生方も多いのではないでしょうか。
この場合の「うつ」は,大うつ病性障害を意味する「うつ」とは厳密には別のもの。
でも,うつ症状としてうつ病(大うつ病性障害)に準じた薬物療法を行うことが有効と判断したから,処方も出したし患者さんにもそういう説明をした,ということになるのだと思います。
発達障害を広めに取る,という意識は,私の中では上の例の「うつ」とほぼ同じ感覚です。
診断分類上は厳密な意味では特定の発達障害には該当しない,でも,「発達障害に近い」と思って診療に当たることが患者さんにとってメリットがありそう…,そんなときに発達障害の患者さんへの診療スタイルに準じた対応をしているわけですが,それはよくないことなのでしょうか。
「発達障害に近い」と思っても,いつもいつも患者さんに「あなたは発達障害だと思われます」なんて説明をこちらからするわけではなくて(「こうと決めたらとことんこだわってしまうタイプのよう」とか「急な予定の変更が苦手なよう」とか具体的な特徴として説明することはありますが),たとえばどうしてもお伝えしたいことは口頭で説明するだけじゃなくてメモにも書いてお渡しするとか,たとえば感覚過敏のような「もしかしたらそういうしんどさがあるのでは?」と思われることも意識して問診するよう心掛けるとかいった,ほんのちょっとの工夫を取り入れることを意識する,という程度のこと。
でも意識的にそういう工夫をすることで,ただ単純にうつ病の患者さん・摂食障害の患者さんだと思って診療するよりももっと患者さんのお役に立ちやすいのでは…そんな視点で診断を広めに拾っているのです。
要は患者さんのお役に立つと思うから過剰気味に診断の可能性を意識している,ということになるでしょうか。
単に発達障害らしき症状を見つけたから嬉しいとか,やたらと診断=レッテル貼りだけはするけど支援する気はゼロとか,そんなつもりはまったくありません。
このあたり,精神科医の先生方はどんなふうに考えていらっしゃるのでしょう? 今とても興味あるテーマだったりします。

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