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「ダメ文化」が労使をダメにした

 労使関係が不安定になると、数十年苦労して築き上げた企業が一瞬にして潰れてしまうという生々しい報告書が出た。労働部が7日発表した「労使協力の失敗事例調査報告書」がそれ。ここ5年間、「労使関係の不安」を理由に廃業・破産した10社を対象にした実態調査だ。これによれば、設立して平均24.4年の10社が、潰れるにまで至った時間は紛糾発生後平均230.3日に過ぎなかった。

 これら10社の共通点は、賃金引き上げ、あるいは賃金滞納をめぐる労使間の妥協を許さない力のせめぎ合いだった。ワールドカップ特需を前に、特級ホテルへ背伸びしようとしたがストライキ1週間で廃業に追い込まれたソウル・汝矣島(ヨイド)のマンハッタン・ホテルの場合、紛糾の種は「月給を10万ウォン上げて欲しい」という労組の単純な要求から始まった。バス55台を運営する大邱(テグ)のテヒョン交通は賃金滞納をめぐる労使間の不信のために廃業となった。国内最高の技術力を誇っていた携帯電話の充電機製造メーカー・テユン情報通信の場合も、賃金20%の引き上げ(労組)、賞与金300%削減(会社側)が真っ向から対立、そのため倒産してしまった。

 また事業主が労組自体を認めなかったり、労組が会社側の困難な状況を無視し社主を信じなかった点も、会社が潰れる主な契機となった。「どんな労使であれ嫌い」(ヒョジャウォン)、「労組がある限り事業を行う考えはない」(東光州病院)などが前者に属する。KBスチール(クギ製造国内トップ)、マイクロ・コリア(筆記具生産国内3位)など「労働者をまず生かすべき」とし構造調整案を拒否したり、「社主が知らないうちに財産を隠している」(テヒョン交通)とし、社主を信じなかった場合が後者となる。

文甲植(ムン・ガプシク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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