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学校を全教組の「人間改造工場」にする気なのか

 ヨルリン・ウリ党は全国教職員労働組合(全教組)の主張を大幅に受け入れ、教師が参加する学校運営委員会で予算など学校運営に関する実質的な決定権を持たせ、教員を新規任用する際は、教師会のメンバーが多数を占める教員人事委員会が推薦するようにし、教員に対する懲戒権もその人事委員会が行使する方向に私立学校法を改正するとした。

 簡単に言えば「私立学校の運営権を教師に譲る」という意味だ。教師に譲るといえば聞こえはいいが、実際には全教組がこの国の学校と教育を完全に掌中に収めるということだ。

 韓国の労働界で11.4%の労組員が労働界全体を締め上げているように、37万人の教師のいる教職社会では「組織化された9万人」の会員を持つ全教組の1人舞台となったのだ。

 この国の小中高校で子どもたちは祖国の恥ずかしい姿だけを集中的に教育され、韓国戦争を引き起こし、数百万人の人間の命を奪った金日成(キム・イルソン)の抗日遊撃隊の活動を学習し、米国などの同盟国が醜悪な国という教育を受けながら、大韓民国の「新国民」に成長していくだろう。

 この国の学校は「人間改造工場」になるという話だ。

 ウリ党はこのような「人間改造工場」で“生産された”新国民たちが、自分たちの20年、30年後の執権をしっかり支えるだろうと考えるかもしれない。しかしこのような工場のこのような学校で、世界に背を向け、自主という名の閉鎖された牢獄を「本当の世界だ」と錯覚するように育てられた子どもたちが主役になったとき、大韓民国の運命はどのようになるのか。

 不正私学は厳重に阻止しなければならない。しかしそれが健全な私学の自律的経営権を揺さぶってもかまわないということではない。選抜しようとする教員の資格を審査することができず、予算に学校の長期発展計画を盛り込むこともできず、生徒たちをどのように指導するかという教育方式に参加することもできず、間違いを起こした教師を懲戒することもできないのに、ウリ党の議員らは私立学校を設立するというのか。

 国会議員であれば他人の立場に立ってでも一度は考えてみるべきではないか。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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