韓国の本屋から『星の王子さま』が消えた
各書店が返品
フランスの作家サン=テグジュペリの童話『星の王子さま』が商標権争いのため、韓国の書店から続々と消えるという異例の事態になっている。
韓国最大の書店・教保文庫は13日、「“『星の王子さま』の挿し絵と題名は商標登録されている”という通告を、サン=テグジュペリ遺族財団SOGEXの韓国側エージェントを務めるGLIコンサルティング(チョ・グィヨン代表)から先月受けた。よって、法的紛争の火種を消すため、問題になる余地のある本を出版社に返品している」と発表した。
教保文庫では「商標権を理由に図書を大量に返品したのはこれが初めて。語学教材まで合わせると100種類以上にもなる『星の王子さま』を返品するのに1週間以上かかった」と話している。さらに永豊文庫などほかの大型書店でも『星の王子さま』を店頭から撤去していることが確認されている。
GLIコンサルティングは先月、各書店に「『星の王子さま』不法出版物流通に関する件」という通告書を送り、「ハングルの『星の王子さま』とフランス語の『Le Petit Prince』の書体、サン=テグジュペリが描いた絵2カットに対する商標権が存在するため、この題名と絵を無断で使用した本の販売を中止せよ」と要求した。
その理由について、GLI コンサルティングは「SOGEXと韓国の文具・出版企業アールデコ7321が昨年、サン=テグジュペリのオリジナルの挿し絵使用に関する独占契約を結んだため」としている。また、「商標登録されたイメージを使用した本や文具などを流通させた場合、法的な措置を取る」と警告している。『星の王子さま』の主人公がマントを身につけ剣を持つ絵は2013年、空の星を眺める絵は2016年、題名は2015年まで韓国で商標登録されている。
これに対し出版界は「海外の商標権ビジネスに巻き込まれた」と反発している。文芸出版社のチョン・ジュンベ取締役は「各出版社が連帯し、商標権失効訴訟を起こそうと準備している」と話している。
今回の事態は「商標権」をめぐるもので、著者の死後50年間認められる国内法上の著作権とは別の問題だ。サン=テグジュペリが1943年に発行した『星の王子さま』は韓国の出版社600社以上が翻訳・出版している。
パク・ヨンソク記者
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