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マンガ・アニメに見る日本人の戦争観(下)

◆70・80年代:脱理念と虚無主義、そしてオタク

 日本経済が安定期に入った70年代には、従来の理念から脱したマンガが登場した。『デビルマン』は人間と文明に対する不信感の中で取り返しのつかない破滅を描き、深い虚無主義を表現した。『宇宙戦艦ヤマト』は地球の破滅を救おうとするストーリーで、軍国主義時代の日本の戦艦「大和」を未来戦争のシンボルのように描いた。特定の大衆文化にこだわりを見せる個人主義的な「オタク」が登場した80年代もこうした終末論的な傾向は続いた。『ドラゴンボ―ル』『AKIRA』は死と直面する虚無主義を描いた代表的なマンガだ。

◆90年代以降:理念の再登場と帝国主義擁護

 ところが、90年代以降は再び強いイデオロギーに基づいたマンガが登場する。『もののけ姫』は神話的なモチーフで文明と自然の関係を描き、『新世紀エヴァンゲリオン』は「秘められた強大な力」というコンセプトと複雑なストーリーで人類を救う問題と未来の日本人像を表現した。

 同じ時期、『戦争論』のように太平洋戦争や大東亜共栄圏をあからさまに肯定し、反米主義を主張する扇動的なマンガも登場した。

 朴教授は「19世紀の日本の大衆的な版画である錦絵には壬辰倭乱(文禄・慶長の役)などの侵略戦争を擁護する内容が描かれており、これが日本人に大きな影響を及ぼしたことを念頭に置く必要がある」と話している。

左から『AKIRA』、『戦争論』。

兪碩在(ユ・ソクジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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