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韓国語で読む英米文学、信頼できる翻訳本はわずか8%

 書店の店頭に並んでいる英語圏の文学作品の翻訳本で、翻訳の質が信頼に足ると評価できるものは10冊中1冊にも満たないという調査結果が出た。

 英米文学研究会の翻訳評価事業団(委員長:徐康穆〈ソ・ガンモク〉韓神大英文学科教授)が、第2次大戦後から2005年までに韓国国内で翻訳・出版された英語圏の文学作品320種類について調べた結果、「翻訳の質が良い作品」として推薦に値する作品は25種類で、調査対象全体の8%にとどまった。

 これは同事業団が『天路歴程』(ジョン・バニヤン原作)、『ジャングルブック』(ラディヤード・キップリング原作)、『動物農場』(ジョージ・オーウェル原作)など、英語圏の著名な古典文学作品35種類の原作と、韓国語に翻訳された327種類の翻訳本を比較し検討した結果だ。この結果については、同事業団が4月30日に発行した『英米文学・良質な翻訳本を求めて 2』に掲載されている。

 同事業団は05年にも、第2次大戦後から03年7月までに翻訳・出版された572種類の文学作品について同様の調査を行い、「推薦に値する翻訳本は62種類」という結果を発表している。

 2回の調査結果を合わせると、第2次大戦後から最近までに翻訳・出版された約899種類の文学作品のうち、翻訳のレベルが信頼に足る作品はわずか87種類にとどまったというわけだ。

 同事業団はまた、「推薦に値する翻訳本」のうち、特に信頼度が高い「最高レベルの翻訳本」11種類も同時に発表した。その内訳は、ジョージ・オーウェル原作の『動物農場』を翻訳した8種類(文芸出版社、サムジ社、トクムン出版社、サムスン出版社、イルシン書籍、ミドゥム社〈ミドゥム=信頼の意〉、ソダム出版社、ラインブック社)と、ロバート・ルイス・スティーブンソン原作の『宝島』を翻訳した2種類(サムスン出版社、ピリョンソ社)、D・H・ローレンス原作の『チャタレー夫人の恋人』を翻訳した1種類(ミドゥム社)となっている。また、05年に第1次調査の結果を発表した際には、エドガー・アラン・ポー原作の『盗まれた手紙』の翻訳本(文学と知性社)など6種類が「最高レベル」に選ばれている。

金泰勲(キム・テフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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