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1430年前の韓国最古の「舍利荘厳具」出土(上)

専門家ら「武寧王陵以来、百済最高の発掘」

 韓国で最も古い椀(わん)型の「舍利荘厳具」(仏舍利を入れた容器)が1430年ぶりに発掘された。国立扶餘文化財研究所(キム・ヨンミン所長)は24日、「扶餘・王興寺跡の木塔基礎(心礎石)部分から西暦577年(威徳王24年)に製作され納められた舍利荘厳具と、各種の装飾品などをが発掘された。完全な姿で百済の舍利荘厳具が発見されたのは初めてのこと」と発表した。アン・フィジュン文化財委員長ら専門家たちは「武寧王陵以来、百済最高の発掘」と興奮を抑えきれない様子だ。

 王興寺跡木塔は現在は実在しないが、発掘調査の結果、縦横14メートルにもなる大きな塔だったことが分かった。舍利荘厳具は青銅製の舍利箱(直径7.5センチ、高さ8センチ)の中に銀製の舎利つぼを入れ、さらに金製の舎利つぼを入れた「三重構造」になっていた。このうち青銅製の舍利箱本体には漢字29文字が刻まれていた。それには「丁酉年(577年)2月15日、死去した王子のために百済王・昌(威徳王の生前の名)が寺を建てた。舎利を2枚入れようとしたが、仏様の力で舎利が三つになった」(丁酉年二月十五日 百済王昌為亡王子 立刹 本舍利二枚葬時 神化為三)と書かれている。

 百済王の名が刻まれた文化財(銘文)が発見されたのは武寧王陵の出土品(1971年発掘)と、同じく「昌王」の名が書かれた舎利龕(仏舍利を安置した容器・1994年発掘)以来、三つ目だ。

 この銘文から▲王興寺跡の舍利荘厳具は新羅・百済・高句麗の三国最古▲王興寺は三国史記の記録にあるように西暦600年ではなく577年に創建された▲威徳王には日本書紀に書かれている「阿佐太子」のほかにも、577年ごろに死亡した別の王子がいた、ということが新たに分かった。

青銅製の舍利箱外側部分に書かれた銘文。/写真提供=文化財庁

扶餘=慎亨浚(シン・ヒョンジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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