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過大評価される高句麗、過小評価される新羅(下)

■金庾信は統一の英雄ではなく反逆者? 

 新羅史学会と東国大新羅文化研究所の主催で今月19日に開かれた学術大会「興武大王金庾信、新しい解釈」は、こうした雰囲気に対する新羅史研究者たちの反発という側面を帯びている。この学術大会は「三国統一の英雄」として尊敬を受けている一方で、「外国勢力を利用して百済と高句麗を滅ぼした民族の反逆者」と貶められている新羅の金庾信(キム・ユシン/595‐673)将軍の復権を目指している。

 発表者たちは、民族史学者の丹斎・申采浩(シン・チェホ/880‐1936)が「金庾信は陰険な恐ろしい政治家で、その生涯の功は…陰謀で全国を混乱に陥れたところにあった人物」だと批判したことが、以後の韓国・北朝鮮歴史学界に大きな影響を与えたと指摘した。この点について、基調発表を受け持った慶北大の朱甫暾(チュ・ボトン)教授は、「三国はそのどの側も互いに同族国家と認めておらず、韓民族は初めから出来上がった状態で出発したのではなく、当時においてはまだ形成過程にあった」と反論した。7世紀の東アジア次元で展開した激動の中にあって、中心人物的な役割を担当した金庾信を客観的に再照明しなければならない、という主張だ。

大邱カトリック大のイム・ソネ教授は、「申采浩史観を根幹に据えた高句麗正統説でもって製作された文化テキストは、新羅と百済を卑下するという新たな矛盾に陥ってしまう」と憂慮した。

兪碩在(ユ・ソクジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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