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【ドラニュース】「断る」権利ないのか!! 落合監督反論40分2008年11月23日 紙面から
来春に行われる第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の代表辞退問題で、中日の落合博満監督(54)が“猛反論”だ。自らの意思を示した選手が厳しい批判にさらされている現状に、約40分にわたって代弁。“NOという権利”を主張した。 本来なら非公表のはずのメンバーが漏れ、辞退した選手には厳しい“制裁”が待っていた。球団事務所にかかる電話、ネットに広がるバッシング。可能な限りの報道を自分の目で確かめた上で、落合監督はナゴヤ球場の記者席に現れた。「1回しか話さない」。選手に代わっての独演会。反論の骨子は2つある。 ◆個人の意思か、組織の思惑か代表サイドが疑念を抱いているのは「4人もそろって辞退するのは個人の意思ではなく、球団としての方針ではないのか?」。この点を問われた落合監督は、明確に否定した。 「何が何でも行け、行くななんてことを選手に言う権利はオレにはないし、選手も従う義務はない。球団で断ったなんて書かれ方はマスコミの暴力だ。球団や監督が『行け』とも『行くな』とも言わない。ウチは前のWBCにも行かせているし、オリンピックにも5人出ているんだ。恐らく台湾からはチェンをくれといってくるだろう。本人も『行きたい』って言っている。だから行かせるよ」 岩瀬、森野、高橋、浅尾の4人に意思を確認してくれとNPBから依頼され、落合監督が確認した。それぞれが「NO」と答えたから、球団を通じて意思だけを伝えた。すると“組織ぐるみ”の疑いをかけられ、さらに辞退理由の説明責任を問う声もあがった。そこが2番目の骨子である。 ◆理由の説明責任はあるのか?落合監督の反論はこうだ。 「(NPBからの文書には)理由を書く欄なんてなかった。ただ意思を確認してくださいと。『出たい』か『出たくない』か。『イエス』か『ノー』か。それだけでいいだろう。必要ならばすべての選手に確認しておけばよかったんだ。『行きたい人で戦う』と言っておきながら、自分らで言っていることを途中で否定しちゃってる」 代表に身を投じることは、栄誉と引き換えに少なからず犠牲も払う。故障するリスク、調整が遅れる不安。しびれるほどの緊迫感に、やりがいを感じるか否かも個人差があるだろう。だからこそ意思を確認しているはずなのに「NO」と答えたとたんに吹き荒れたバッシングの嵐。そこには最初から「YES」の返答しか許されていないのではないか…。 「野球機構やファンを納得させようとは思わない。でも代表の監督でもコーチでも、野球機構でも話しにくればいい。ちゃんと説明してやるよ」 集中砲火にさらされる選手の前に、自分が立ちはだかり、矢も弾も引き受ける。 我が道を突き進んできたオレ流らしい独演40分だった。 (渋谷真)
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