九州大の教育学部と医学部の教授有志らでつくる「教育と医学の会」(村田豊久会長)は22日、シンポジウム「いま、親に何が求められているか?」を福岡市中央区の福岡国際ホールで開いた。教育学の識者ら3人が講演。親として子どもにどれだけ自分を語っているかという問題提起や、乳幼児期からの愛情込めた子育てが出発点との考えが披露され、約100人が熱心に聞き入った。
九州大大学院の田上哲准教授は、現代の親は情報化社会の中で効率化、省力化を優先していると報告。「子育てもできるだけ失敗を避け、手早く無駄なく、子どもを幸福に到達させたがっている」と指摘した。親子の密なかかわりと、子どもとともに家庭をつくる大切さを訴え、「親として『自分』をどれだけ子どもに語っているかも問われる」と述べた。
県小児科医会の松本寿通氏は、増加する子どもの暴力事件やいじめの問題に触れ、「乳幼児期からの愛情ある子育てが、子の心の発達につながる」と強調。父親の家庭進出が遅れていると指摘し「企業や行政が子育て環境を整える努力を」と訴えた。
特定非営利活動法人(NPO法人)「子どもNPOセンター福岡」の大谷順子代表理事は子育ての重要点として(1)子が置かれている今(現状)と背景を知る(2)親同士の子育て仲間づくり‐を呼び掛け、インターネットなど子どもを取り巻く環境や海外事例を紹介した。
=2008/11/23付 西日本新聞朝刊=