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半導体業界を襲う史上最悪の不況(上)

 韓国の半導体産業が岐路に立たされている。今年の半導体の輸出は、米国のIT(情報技術)バブルが崩壊した2001年以降では初めて減少に転じ、半導体メーカーの実績も悪化の一途をたどっている。サムスン電子の半導体部門は2006年まで、各四半期(3カ月間)の収益が1兆ウォン(約645億700万円)を超えていたが、現在は何とか赤字を回避できているという状態だ。

 サムスン電子の李潤雨(イ・ユンウ)副会長は現在、「半導体部門のポートフォリオ(安全資産と危険資産の最適保有率)を最初から作成し直せ」とげきを飛ばしているという。また、2001年に深刻な流動性の危機に陥ったハイニックス半導体は、今年第3四半期(7‐9月)だけで1兆6700億ウォン(約1075億1900万円)もの赤字を出すなど、2度目の危機を迎えている。問題は半導体不況が、来年にはさらに深刻化する可能性が高いということだ。米国の市場調査会社ガートナーは、最近発表した報告書で、「米国発の金融危機の余波で、2009年の半導体市場の規模は2820億ドル(約26兆9500億円)=08年に比べ成長率1%=にとどまる」との見通しを示した。今年第3四半期の予測値(3077億ドル=約29兆3400億円)に比べ、7‐8%も成長率が低くなるというわけだ。これにより、半導体業界周辺の危機感もさらに高まっている。

◆構造的な供給過剰と不景気が重なる

 半導体業界はこれまで5‐6年ごとに、周期的な不況に直面してきたが、今回の不況は世界的な景気の低迷まで重なり、過去に例がないほど長期化している。例えばDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)の場合、通常は価格の下落が18‐24カ月ほど続いた後、上昇に転じてきたが、最近は27カ月にわたって価格の下落が続いている。

 企業の実績も同様だ。例えば、サムスン電子は不況下の01年、売上額は8兆8830億ウォン(約5699億3100万円)、営業利益は6984億ウォン(約448億900万円)を記録し、営業利益率は7.8%となった。だが、今年の場合は、第3四半期までの累積営業利益率が5%にとどまっている。毎年10兆ウォン(約6413億1800万円)近い投資を行っている事業としては、あまりにもみすぼらしい実績だ。

 サムスン電子内部の空気も、01年と似たような状況になってきている。01年当時、サムスン電子はライバル各社に比べ6カ月以上も技術面で遅れを取りながら不況を耐え忍んだが、現在のサムスン電子の経営陣もまた困り果て、なすすべがない状況だ。李潤雨副会長は社員たちに対し、「半導体メモリーは投資される資本に比して、これ以上大きな収益を期待することは容易ではなく、景気のサイクルを予測することも次第に難しくなってきている」と打ち明けたという。

趙亨来(チョ・ヒョンレ)記者

白承宰(ペク・スンジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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