BitDefenderコマンドライン版の導入は大変なので、簡単に導入できるように簡易インストーラを作りました。
BitDefenderのいかなるバージョン(V7/V8/V9/V10 フリー版/製品版など)においても、コマンドライン版ではなく通常の方法でインストールしてある方は、コマンドライン版の導入はしないでください。あるいは、そちらをアンインストールしてから導入してください。
OSはWindows 98/Me/2000/XP(32bit)/Vista(32bit) のみが対象です。(当方で確認したのは、XP Pro SP2/2000 Pro SP4/Vista Home Basic/Vista Home Premium/Vista Ultimate/98SE/Meのみ。2003 Serverは体験版ではOK。64bit版は当方に試せる環境がないので確認していませんが、BBSに大丈夫だったと言う報告をして下さった方がいました。あとは自己判断でお願いします。)
あと、Windowsインストーラがインストールされていることが必要です。最近のOSでは最初からインストールされていますが、Win98の初期状態では未導入です。ただし、その後WindowsアップデートやIEのバージョンアップなどで、知らない間にほとんどの環境で入っていると思います。確認方法は、「スタート」→「ファイル名を指定して実行...」でmsiexecと打って実行してください。「不正なコマンドv2.**」みたいな表示が出れば98でも導入済みです。もし未導入ならばMSサイトから入手できます。Windowsインストーラは一応Windowsの純正・推奨・王道・御用達インストーラなので、導入してない方はインストールしておいたほうが良いと思います。
BitDefender Free Edition のインストーラを入手するために、配布ページをブラウザで開き、ボタンを押します。
すると、BitDefender公式サイトのダウンロードページが開きます。
上図のように、自分のメールアドレスを記入してからボタンを押します。まもなく、そのアドレス宛にダウンロード先のURIが送られてくるので、再びそのページにアクセスして、bitdefender_free_win_v10.exe という名前のファイルをダウンロードして、ローカルの適当な場所に保存します。(IEなどでダウンロードするときに、決して「開く」や「実行」などを選ばないでください。Free版としてインストールされてしまいます。) 今回はこのファイルの中から、必要なファイルのみを抽出するために使います。すなわちインストーラとしてではなく、必要なファイルの提供元としてのみ使用するわけです。
*注
BitDefender公式ページにミスがあるため、上図の段階でBitdefender 10 Free Editionが選べない場合があります。(2008.1.29現在ではBitdefender
Mobile security V2しか選べませんでした。) このような場合、仕方がないので他製品を選んでおいてSubmitボタンを押してください。すると、送られてきたメールに
http://d○wnl○ad.bitdefender.c○m/mobile/
というようにアドレスが記載されてきますから、いったん
http://d○wnl○ad.bitdefender.c○m/
のように一階層上にアプローチしておいて、その後にWindowsのFree版らしいフォルダを順次選んでいくとbitdefender_free_win_v10.exeが見つかります。
2008.1/29現在では
http://d○wnl○ad.bitdefender.c○m/windows/free/winfree/en/
にありました。
私が作った簡易インストーラです。ダウンロードしてローカルに保存してください。
2008/8/29更新 ・bdc.ini内の記載を UpdateHttpLocation = http://upgrade.bitdefender.com/update71 から UpdateHttpLocation = http://upgrade.bitdefender.com/update_is_90 に変更。 2008/8/29以前の簡易インストーラでBitDefenderコマンドライン版をインストールしてある場合には ◎自分でbdc.iniを書き換える場合 ○Vista以外、あるいはVistaでUACオフの方 →Program Files\Common Files\Softwin\Bitdefender Scan Server内のbdc.iniをテキストエディタで開き、上のように記載された行を探して、update71をupdate_is_90に書き換えてください。 ○VistaでUACオンの方 →上記作業に加えて、%LocalAppData%\VirtualStore\Program Files\Common Files\Softwin\ Bitdefender Scan Server内のbdc.iniも同様に書き換えてください。(隠しフォルダです) ◎簡易インストーラを使う場合 ○Vista以外、あるいはVistaでUACオフの方 →簡易インストーラを使って、上書きインストールしてください。(うまくいかない場合のみ、下のやり方でやってみて下さい) ○VistaでUACオンの方 →一旦コントロールパネルからBitDefenderコマンドライン版をアンインストールし、再び簡易インストーラを実行してBitDefenderコマンドライン版を再インストールしてください。 |
bit_com.zip を解凍して中身のbd_setup.exe を実行します。bitdefender_free_v10.exe を直接実行してしまうと、普通の【BitDefender V10 フリー版】のインストールになってしまうので、間違わないように。
あとはウィザードに従って進めてください。作業が終了したら、インストールに使用した2つのファイルは削除してかまいません。
あれほど面倒だった設定作業が、初級ユーザーでもできるようになりました。
【BitDefenderコマンドライン版】のインストールフォルダは、 <システムの入っているドライブ名>:\Program Files\Common Files\Softwin\BitDefender Scan Server で固定です。これは、BitDefenderをコマンドライン版ではなく、通常版としてインストールした時にも、ユーザーが選択したインストール先に関わらず、コマンドライン版で使うファイル群である BitDefender Command line scanner は、この位置にインストールされます。この位置に置いておかないと何らかの不具合があるかもしれないので、ここにパスを固定しています。また【BitDefenderコマンドライン版】のインストールでは、このフォルダ以外の場所にファイルを作ったりしていません。ここに置かれたファイルと、コンテキストメニューを出すためのレジストリの設定だけで、機能を実現しています。 (パワーユーザー未満の制限ユーザーでは、このフォルダに書き込みができないし、コンテキストメニューを出すために使うレジストリのHKCRにも書き込めないので、【BitDefenderコマンドライン版】をインストールするためには、パワーユーザー以上の権限が必要になります。) 簡易インストーラでは、ユーザーがこのフォルダ内のファイルを直接操作する必要は全くありませんし、またアンインストールする時には、このフォルダは丸ごと消えるので、インストールフォルダのことはあまり気にする必要はありません。ただし、9x系の方は普遍的な解説頁の4の設定は行ったほうが良いでしょう。 |
もしも【BitDefenderコマンドライン版】をアンインストールしたくなったら、コントロールパネルの「アプリケーションの追加と削除」(XPでは「プログラムの追加と削除」)経由でアンインストールします。【BitDefenderコマンドライン版】がインストールされていたフォルダを削除し、関連レジストリ項目を消去して、インストール前の状態に戻します。
初めて使う時は、ウィルス定義が空っぽなので、まずアップデートで定義を入手します。何でも良いので何かのアイコンを右クリックして、コンテキストメニューの『BitDefenderをアップデート(U)』を選びます。
下図のような画面が開き、自動的にアップデートされます。初回のみ少し時間がかかります。
ウィルススキャンをする時は、スキャンしたいファイルなどのアイコンのコンテキストメニューから『BitDefenderでウィルススキャン』を選びます。
このように結果が表示されます。
さて、ウイルスが見つかった時には赤い文字で表示されます。こうなったら気を引き締めてください。下図のように修復・削除・移動・無視・何もせず終了など、ユーザーの判断を選択するようなメッセージが英語で表示されます。(なお文字化けが激しいのですが気にしなくて結構です。2バイトファイル名でも中身はきっちりチェックします。表示だけの不具合です。)
これは、Winny無視リストサイトの情報を使って探してきた、ウイルス入りの危険なzipファイルをスキャンしたところです。コミックを炊いたもので、多くの画像ファイルの中に、たった1つだけ悪質な実行ファイルを混ぜてあるものでした。さてこのような場合、一般的な心情としてはDisinfectを選びたいでしょう。そこでdキーを押してみます。
結果は上図のとおりです。修復に失敗しました。修復に失敗とか言うと、「あー、やられた」と思うかもしれませんが、この段階ではまだ感染していません。そもそも、ウイルスとして専用に作られた実行ファイルを無害化(disinfect)できるとは考えないことです。
Moveに関しては、上のほうで作った Infected フォルダに感染ファイルを移動させますが、単純な移動に過ぎません。Infected フォルダが特別な防御機構を持ったフォルダというわけではないのです。あとでメーカーに検体を提出しようというような場合には適しています。提出が済んだら決して実行することなく手動で消去しておきましょう。
ちなみにXP Pro において、InfectedフォルダやSuspectedフォルダ内で実行ファイルを実行できないようにするには、「ファイル名を指定して実行…」からsecpol.msc /s と打ち、「ソフトウェア制限のポリシー|追加の規則」項目で右ペインで右クリックし、「新しいパスの規則...」で下図のようにInfectedフォルダなどを指定すれば、実行ファイルを実行できないフォルダになります。 たとえばbdc.exeをInfectedフォルダ内にコピーして、ためしに実行してみようとすると、下図のようなアラートが出て実行できなくなります。 XP Home にはこの機能はありません。正確に言うと、機能はあるのだが、上で紹介したPro版のようなフロントエンドが用意されていないだけで、機能自体は存在するようです。同じことをしたければ、直接レジストリに書き込みます。
{*******-****-****-****-************}という部分はGUIDと呼ばれる乱数です。上のように綺麗な数字の羅列ではなく、本来は乱数にすべきです。【GENGUID】などGUID作成ツールを使うと簡単に作れるので、自分で作成したGUIDで上の{}内を置き換えてから結合してください。当然1つめの{}と2つ目の{}のGUIDは異なるものにしてください。また、上の例はシステムがCドライブの例ですから、そうでない人は適宜書き換えてください。なお、レジストリを書き換えた場合は、一度OSを再起動しないと、この機能が有効になりません。 |
Ignore やQuit は選ぶ必要はないでしょう。
ということで、選択肢はDeleteが望ましいのです。lキー(アルファベットのエル)を押します。
今度こそ感染ファイルが削除されました。それ以外の感染していないファイルは残っています。すなわち、zip ファイルを解凍することなく、zip の中から感染ファイルだけを取り除いて、危険性のないzip ファイルとして残ったわけです。この状態は、理想的な修復状態ですね。(ただし感染していないからといって、こういう著作権違反のファイルを、このように入手してはいけません。)
さて次の例は、うじゃうじゃとウイルスが含まれているzip ファイルです。
こうなると、lキー連打です。
結局、27個感染ファイルが含まれていました。27回キーを押しました。一応残りかすのようなzipファイルが残りますが、これを利用しようという猛者はいないでしょう。残ったものも即、手動で削除しました。
さて、今回お見せしたのは単独ファイルのスキャンでしたが、ドライブアイコンの右クリックでドライブを丸ごとスキャンすることも出来ます。しかし、かなり時間がかかる(数日単位になるかも)と思うので、お勧めしません。bdcscan.batの/list オプションを削除しておくと多少早くなるかもしれませんが、進行状態が把握できなくなってしまいます。
数日単位と書いたので、「ええっ!?ホントかよ」という意味の書き込みを2ちゃんねるで何度も見ました。これはお使いのPCの状態によるもので、PCの処理能力が低い、ドライブの使用容量が大きい、圧縮ファイルを多く保存しているなどの条件が重なるとスキャンに時間が掛かるようになります。特に圧縮ファイルは一々中身までスキャンするので、これが所要時間を決めるかなり大きな要素になります。Daemon
のような仮想ドライブソフトで使うためにイメージファイルをたっぷり保存しているような方は、1個のファイルで10分以上ということもありえるので、全体では日にちをまたがってスキャンするようなことにもなりかねません。逆に、圧縮ファイルなどほとんど保存しておらずPCも高性能という場合は、ドライブスキャンでも30分以内で終わるような場合もあるでしょう。 「自分の場合はどうなんだろう?」と疑問を感じたら、実際にやってみて確かめるしかありません。やり始めたけれど、時間が掛かりすぎて途中で止めたくなったならば、Ctrl+Cキーで止めることができます。 |
Ctrlキーを使って複数のファイルなどを選択しておいてのスキャンも出来ますが、DOS窓がたくさん開いて、かなりウザイです。このような場合、1階層上のフォルダを選択してスキャンしたほうが良いでしょう。
コマンドライン版というと、なにかCUIみたいなイメージを持たれるかもしれませんが、実際の使い方は右クリックして実行するだけです。表示画面がコマンドプロンプトというだけなのです。
お勧めの使い方は、上の例のような、アングラなサイトやP2Pで入手したような出自が怪しいソフトをスキャンするようなやり方です。展開前の圧縮ファイルのままでウイルスを見つけ、駆除することができます。ISOファイルやISOをRARで固めたようなファイルにも対応しています。
2ちゃんのダウソ板の住人などには、必携のソフトです。
BitDefender コマンドライン版を導入すると、関連付けされていない拡張子を持つファイルをダブルクリックするとスキャンが始まってしまうという現象が出ることがあります。関連付けの無いファイルをダブルクリックしたときには、「ファイルを開くプログラムの選択ダイアログ」が出て欲しいという場合は、レジストリエディタで、HKEY_CLASSES_ROOT\*\shellの既定値に「open」を入れて見てください。
Regファイルの書式ならば以下のようになります。(Win9Xに合わせてREGEDIT4にしていますが、2000/XPでも機能します)
REGEDIT4 |
もしも、上の設定を元に戻したければ
REGEDIT4 |
ただしWin9X系では上の @=- というのは機能しないようなので、戻したい場合はレジストリエディタで直接上図の反転している(標準)キーを削除してください。
残念ながら、openという値を書き込む方法ではもダメな場合もあります。この場合のみ、以下のRegファイルを結合してください。
REGEDIT4 |
これで、関連付けの無いファイルをダブルクリックすると「ファイルを開くプログラムの選択ダイアログ」が出るようになるはずです。もしも上の設定を元に戻したければ、
REGEDIT4 |
で該当キーが削除できます。
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