「家の中ではトドみたいでさゴロゴロしててあくびして時々ブーっとやらかして…」。世の父親には身に覚えのある自画像であろう。ロック歌手忌野清志郎さんの「パパのうた」の一節にある 子どもは親の背中を見て育つという。だらしなく見える父親でも子どもは働くことの大変さを感じている。父親だけでなく汗して懸命に働く人々の姿は子どもにとって一番の教科書である。忌野さんの歌は代弁してくれる「働くパパは光ってる」と 世界的金融危機で働く場が日に日に狭くなろうとしている。基幹産業である自動車産業では派遣社員のリストラが相次いでいる。北陸も雇用情勢の悪化が顕著になってきた。年末を控えての突然の解雇は心中察するに余りある 景気対策も先送りの気配だ。首相に庶民の気持ちが分かるなら、職を失った親や若者を救うことに心を砕くのが先だ。居酒屋で学生と飲んでも庶民派とはだれも思うまい。そんな人気取りに拍手を送るほど庶民に余裕はない 子どもは仕事で輝く親を尊敬する。が、首相の後ろ姿からは輝きを見いだせるだろうか。きょうは勤労感謝の日。
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