6月20日から28日までの滞在で、ビリー・ブランクスの名前は、日本中に知れわたった。滞在中には、テレビ出演20番組、ラジオ1番組、雑誌の取材5誌というマスコミ対応をする一方、「新しい通販用CMを撮影した」(スポーツ紙記者)ようだ。

 大量露出のかいあって、『ビリーズブートキャンプ』は、来日直前まで「約50万枚」を売っていたが、来日中に「予測値ですが、同数かそれ以上」(ワイドショー・ディレクター)を売り上げたという。そんな来日劇を仕掛けたのは、名古屋に本社を置く通販業者「オークローンマーケティング」。来日中のスケジュール管理や取材対応は、共同ピーアールという宣伝会社が仕切ったが、彼らが成功を収めたのには、ひとつのキーポイントがあった。

「5月頃、某民放のマルチメディアを担当する部局が、独占でビリーを囲う腹積もりで手を挙げた。でも通販業者にとっては、各テレビ局が入り乱れて取り上げてくれたほうが売り上げアップにつながると踏み、一局独占という安全策ではなく、コストも手間もかかる全方位外交を取った」(事情通)

 この狙いはずばり的中し、情報番組はもれなく取り上げ、『SMAP×SMAP』などのバラエティ番組もビリー人気に便乗した。

「テレビ通販番組は通常、通販業者がいわゆる完パケ(完成したVTR)で持ち込み、物販売り上げの一部もテレビ局の儲けになる。テレビ局は、費用ゼロで儲けられるというこの上ないシステム。ビリーのような通販番組のスターはありがたい存在です」(テレビ関係者)

 そんなビリー人気に、通販業者もテレビ局も、まだまだ便乗したい様子だ。

「日本人向けバージョンや年齢別の商品、メタボ撃退、筋力増強など、種類別の商品も考えられる。ビリーブランドの展開は、これからが本番です」(同)

 巧みな戦略は、これからもテレビを通じて、日本中に向けて仕掛けられるだろう。(博末花月/「サイゾー」8月号)

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2007.09.18 火 | 固定リンク
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