京都ウトロ地区問題:「上下水道なしに60年過ごした」
韓国の小学生27人、ウトロ地区を訪問
今月12日、京都府宇治市の郊外にあるウトロ地区を、韓国の小学生27人が訪れた。学校制服メーカー「エリート学生服」が主催した「2008愛国ウトロ希望キャンプ」に参加した、ソウル市や京畿道一帯の子どもたちだ。
面積2万1157平方メートル(約6400坪)のウトロ地区は、日本人の地主が71世帯・178人の在日韓国人を立ち退かせようとして問題になっている所で、在日韓国人の苦しい立場を象徴する場所だ。
子どもたちがまず目にしたのは、「ウトロで生きてきたわれわれは、ウトロで死にたい」とハングルで書かれた立て看板だった。住民団体役員のイ・ムユルさん(39)は、「ここの人たちは第2次大戦中の1941年、軍の飛行場建設のためにこの地へ来た人たちの子孫で、10人中2‐3人が65歳以上の高齢者だ」と語った。イさんの説明が終わるころ、子どもたちの目の前には、日本の植民地時代、軍の飛行場建設工事に従事するためにこの地へやって来た韓国人労働者たちの合宿所が現れた。ノ・ジョンウン君(12)は、「あんな所に人が住んでいたのか」と驚いた。
- 写真提供=エリート学生服
イ・ムユルさんがさらに、「ここの住民たちは、上下水道もない所で60年以上も過ごしてきた」と話すと、子どもたちは再び驚いた。ウトロ地区の周囲を流れる幅1メートル足らずのどぶ川の向こうには日本人が住んでいるが、上下水道はそこまでしか来ていないというのだ。正式な行政区域ではないウトロ地区の住民たちはみな、自宅の住所を「ウトロ51番地」としている。郵便物もすべて自治会館に届く。話を聞いた子どもたちは、一様に重く沈んだ表情を浮かべた。
子どもたちは自治会館で、高齢の住民たちのために韓国の唱歌『故郷の春』を歌い、地区を守っていってほしいという願いを込めてチャンスン(日本の道祖神に相当する守り神)を贈った。最初にウトロ地区へ移り住み、現在生き残っている10人のうちの一人、キム・グンジャさん(80)は涙を流した。そして「また来て下さいね。わたしたちの家を守って下さい。ウトロ…」と言って、バスが視界から消えるまで手を振り続けた。
ウトロ地区の住民たちは4年前、土地を所有している不動産会社から立ち退きを求められ、強制的に追い出されるのではないかとおびえていたが、所有者が変わったことで危機を脱した。現在は土地を買い取るため、韓国政府や民間人、住民たちによる募金活動が行われている。
京都=キム・シヒョン記者
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