半導体業界を襲う史上最悪の不況(下)
◆半導体の需要を引っ張る製品がない
世界的な不景気に加え、新たな半導体の需要を引っ張るIT分野の新製品も、数年にわたって出てきていない状況だ。米アップル社のデジタル・オーディオ・プレーヤー「iPod」のように、半導体を記憶装置として使う新しいヒット商品が出てきていないというわけだ。ガートナーは「半導体を使う製品の需要が減っていることに加え、電子メーカーがIT機器に使う半導体の量も減っている」と述べた。
その上、半導体業界の伝統的な構造調整のシステムも、これ以上は通用しなくなってきている。半導体メモリーの場合、不況が1年以上続けば一部のメーカーが撤退し、これを契機として好況に転じてきた。だが現在のところ、撤退を検討しているようなメーカーはない。
米国のマイクロン・テクノロジー、ドイツのキモンダ、日本のエルピーダメモリ、台湾のプロモス・テクノロジーズ、南亜科技といった、現在生き残っている半導体メーカーは、それぞれの国・地域を代表する企業であり、豊富な資金力や技術力を有している。また、各国政府も「産業のコメ」と呼ばれる中核的な素材産業が衰退するのを防ぐため、全方位的な支援に乗り出している。台湾政府は今月11日、台湾の半導体メモリーのメーカーに対し、24兆ウォン(約1兆5200億円)の支援を行うことを決めた。過去なら欧米諸国から「違法な補助金の支給だ」として反発の声も出たところだが、先進国も銀行や自動車業界に公的資金を投入しているため、口をつぐんでいる状況だ。
◆複合チップの開発など、非メモリー部門への投資の拡大を
専門家たちは、韓国企業が世界的な技術力を有している半導体メモリー分野から撤退することはできない、との見方を示している。だが、史上最悪の不況から脱するためには、不況の影響が比較的少ない非メモリー部門に本格的に進出すべきだ、とアドバイスしている。そのためには、世界でもトップクラスの競争力を誇る韓国の携帯電話、テレビ、家電製品、自動車などのメーカーとの連携を積極的に進め、非メモリー部門の市場を拡大し、また海外の半導体メーカーの買収も進めていく必要がある、と指摘している。
ハンファ証券のソ・ドウォン研究員は「非メモリー部門で世界1位のメーカーである米インテル社も、2000年代初めには3‐4社の通信用半導体メーカーを買収し、携帯電話分野に市場を拡大するのに成功した」と話す。
■非メモリー部門とは
情報を記憶する半導体メモリーとは違い、コンピューターのCPU(中央演算処理装置)や電気製品の信号処理装置といった、情報処理のための装置に使われる半導体。米インテル社が世界的なメーカーとなっている。
趙亨来(チョ・ヒョンレ)記者
白承宰(ペク・スンジェ)記者
- 半導体業界を襲う史上最悪の不況(上) 2008/11/22 04:23:48
- 半導体業界を襲う史上最悪の不況(下)
2008/11/22 04:24:29
- 半導体業界を襲う史上最悪の不況(上)
2008/11/22 04:23:48
- 造船:受注減で中小企業の資金繰り悪化(下) 2008/11/22 04:18:46
- 造船:受注減で中小企業の資金繰り悪化(上)
2008/11/22 04:18:20
- 新車より高い2007年式起亜「ボンゴ」
2008/11/22 04:10:54
- ウォン、1ドル=1495ウォン 2008/11/22 00:40:46
- 韓国総合株価指数、反発1003.73 2008/11/22 00:39:34
- 決済期の年末、金融危機のヤマ場に 2008/11/21 09:20:13
- 急落する債券価格 2008/11/21 08:57:33
- ウォン安進行、一時1ドル=1517ウォン 2008/11/21 08:36:25