西日本新聞

祇園の元芸妓が妓生研究 宴席もてなし 日韓文化比較

2008年11月22日 13:35 カテゴリー:九州・山口 > 福岡

 京都市・祇園の元芸妓(げいこ)で、現在は華道家や「祇園文化の案内人」として講演活動などを続けている桐木千寿さん(57)が29日、九州大大橋キャンパス(福岡市南区)である日本比較文化学会で研究発表する。テーマは「祇園芸妓と韓国妓生(キーセン)-もてなしの日韓比較文化論」。同じ花柳界に身を置いた女性として両者の歴史をひもとき、見えてきた共通点と違いを紹介する。

 ●華道家・桐木さん、学会で発表へ 歴史ひもとき違いまとめ

 15歳で舞妓(まいこ)「豊千代」として祇園に入り、36歳で引退した後も華道、茶道、鼓、京舞と芸道に精進してきた桐木さん。“研究者”となるきっかけは、芸妓時代の35年前にさかのぼる。

 お客さんと旅した韓国・ソウルの宴席で、美しいチマ・チョゴリを着た妓生の女性たちと接した。帰国後に、妓生は古く高麗時代(918-1392)に始まり、かつては歌舞芸能だけでなく、漢詩や書など高い教養で貴族を楽しませたことを知った。宮廷で女医を務めたり、政治や外交の場でも重用され、16世紀には黄真伊(ファンジニ)という女性詩人も活躍。だが変転する時代に翻弄(ほんろう)され、その姿を変えていった。

 日韓の違いに関心を持った桐木さんは、5年ほど前から文献を取り寄せて本格的に調べ始めた。6月に京都大で祇園文化の講演をした際には、学会員の丸橋良雄同大教授から協力を得ることに。丸橋教授の教え子で釜山大に勤める研究者から助言を受けながら、歴史だけでなく、芸妓と過去には妓生にもあった養成学校に違いがあったことなど、比較論をまとめた。

 桐木さんは「元芸妓が学会で発表するのは初めてだそうですが、励ましていただきお引き受けしました。発表が、かつての妓生の豊かな文化の見直しにつながれば」と話している。

 29日の学会では16の研究発表があり、桐木さんの発表は午後5時すぎから5号館で。聴講するには、当日会員として1000円が必要。

=2008/11/22付 西日本新聞夕刊=

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