渋滞の緩和を目的に二〇〇六年度から立体化工事が進められている国道29号と53号が交わる鳥取市の吉成交差点で二十六日深夜から二十七日早朝にかけ、橋げたの架設工事が行われた。山陰初の急速立体施工で、橋げた部分を含め、長さ三百三十メートルの吉成高架橋が一夜で姿を現した。〇九年度中に走行部分の舗装工事を終え、通行を開始する。
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橋げた架設前の吉成交差点=26日午前9時55分ごろ
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架設工事を終えた吉成交差点=27日午前9時40分ごろ
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架設された橋げたは長さ百九メートル、重さ二百七十五トンの鉄製。三重県松阪市の工場で造った長さ約九メートルのブロックを交差点から約三百四十メートル離れた空き地で組み、交差点に運んだ。
搬送には作業員約五十人と専用の大型作業車二台が出動。国道53号と空中で交差する形で29号の進行方向に架設した。従来の工法で十八カ月かかっていた工事が十カ月でできるという。
交差点には、“一夜橋”を一目見ようと、深夜にもかかわらず多くの市民らが訪れて工事を見学。二十七日朝、通勤のため同交差点を通った会社員の男性(51)は「一夜でできていたのでびっくりした。雨の日はとくに渋滞するが、これで緩和されると思う」と開通を待ち望んでいた。
吉成交差点は現在、朝夕のラッシュ時に六百メートルから一キロの渋滞が発生するという。