元厚生次官宅連続襲撃事件 東京・中野区で刺された妻、犯人は30〜40歳くらいと証言
元厚生事務次官らの殺傷事件で、犯人に刺されて重傷を負った東京・中野区の元厚生事務次官・吉原健二さん(76)の妻・靖子さん(72)が事件後、初めて警視庁の事情聴取に応じた。
靖子さんは、作業着のような服装をした犯人は、箱のようなものを持って、宅配業者を装っていたと語った。
一方、さいたま市南区の元厚生事務次官夫婦殺害現場では、20日も現場検証が続いた。
殺害された元厚生事務次官・山口剛彦さん(66)夫妻の自宅前には、冥福を祈る多くの花束が手向けられた。
さいたま市と中野区の事件で、多くの共通点を残して闇に消えた犯人だが、現場周辺では新たな目撃情報があった。
不審者を目撃した人は「そんなに太ってない。ちょっと小柄でやせてるかな。何か考えているふうなんで、ちょっと異様な雰囲気だった」と話した。
不審な男が目撃されたのは、埼玉の現場からおよそ300メートル離れた駐車場で、先週、2回目撃されていた。
目撃者は「(先週の)水曜日から日曜日の間、2日間。(服装は)黒っぽかった。帽子は、何かかぶってたような気がします」と語った。
一方、東京・中野区で元厚生事務次官・吉原健二さんの妻・靖子さんが刺された事件でも、犯行当日に不審な男を近所の住民が目撃していた。
犯行当日の午前11時20分ごろ、紺か黒色のワンボックスカーが止まっていて、運転席には、野球帽をかぶり左手に持った何かを見つめる男が座っていたという。
不審者を目撃した人は「30代で、年配の方ではないことは確かだと思います。野球帽ね、角が四角いの」、「(角が四角い?)丸いのもありますよね。四角だったと思います」と語った。
犯行7時間前に目撃された不審な野球帽の男が、事件と関係があるのか注目される。
靖子さんの第1発見者は「宅急便にやられたみたいな。『今、救急車呼びますから』って、何かそんなことをやっているうちに、段々ちょっと意識が遠のいていくような感じで」と話した。
一方、重傷を負った吉原さんの妻・靖子さんは20日、事件後、初めて警察の事情聴取に応じ、男のくわしい情報が明らかになった。
男は30〜40歳くらいで、身長は165cmくらい、野球帽か作業帽をかぶり、上下作業服のような服装だったという。
男はインターホン越しに「宅配便です」と名のり、箱のようなものを持っていたという。
その箱は、凶器の刃物同様に発見されていない。
そんな中、男が残した足跡から、新たな事実が判明した。
吉原さん宅の床などには、血痕や土足の跡があった。
靖子さんを刺したあと、家に上がり込み、執ように夫・健二さんを捜した可能性が高い。
一方、埼玉の事件でも、台所や廊下などの広い範囲に土足の跡が残っていて、犯人が室内に侵入したとみられることがわかっている。
また、ダイニングに残されていた山口さん夫妻の財布には、紙幣が入っていなかった。
スニーカーのような運動靴とみられる足跡だが、靴底の模様は、さいたま市と中野区の事件では異なるという。
警察は、同一犯の可能性が高いとみて捜査している。
(11/21 00:11)