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自動車交通量:30年まで横ばい 道路需要推計を下方修正--国交省方針

 国土交通省は、将来の自動車交通量(道路交通需要)について、2020年まで交通量が増え続けるとした従来の推計を下方修正する。30年までほぼ横ばいが続くとし、道路事業の費用対効果の計算方法も従来より厳しくする。無駄が多いと批判されている道路整備の見直しにつながりそうだ。

 交通量は、全国の自動車台数に年間走行距離を乗じて算出する「台キロ」で示される。02年の従来推計は交通量を、00年の7760億台キロから20年に8680億台キロまで増え、その後緩やかに減るとしていた。しかし、国会審議などで「近年の交通量減少を反映しておらず、数値が大きすぎる」と指摘されたため、05年の道路交通センサスなど新しいデータを使い計算し直した。

 この結果、(1)人口の減少ペースが従来推計より速い(2)利用距離の短い軽自動車の割合が増えている(3)貨物輸送量が減少傾向にある--などの減少要因が加わり、従来推計より低い数値が出る見通しになった。

 ただ、免許保有者数が今後も増えると予想されることなどから、現状(06年=7636億台キロ)からの増減は少ないと見込む。正式な推計値は26日に公表する。

 一方、費用対効果は、道路整備による便益(走行時間短縮、走行経費減少、交通事故減少)を費用(事業費と維持管理費)で割って算出する。新規路線は、この数値が1を上回った場合に建設できる。ただ、従来の計算方法に対し「便益を大きく見積もりすぎ」との批判があることから、今回は時間短縮のメリットとして算入する平均賃金を引き下げるなどの見直しをする。新しい計算方法では便益が低めに出るため、建設を認められない新規路線も出てきそうだ。

 交通量の推計と費用対効果の計算方法は、国交省が12月上旬をめどに策定する新しい道路整備中期計画(5年間)でも参考にされる。【位川一郎】

毎日新聞 2008年11月22日 東京夕刊

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