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内藤正中氏「竹島は日本の領土ではない」(中)

島根大・内藤正中名誉教授インタビュー

-島根県とはどのような縁がありますか。

 「父親の生まれが島根県西部の浜田という所でした」

-当初から反対するという姿勢で研究を始めたのですか。

 「そういうことではありません。先入観もありませんでしたしね。資料を研究していくうちに、日本の主張がおかしいということが分かったのです」

-日本の立場では独島領有権を確保することが国益です。先生の研究が日本や故郷の利益に反するという考えはなかったのですか。

 「ありましたが、国益と衝突するとしても、真実ははっきりさせなければならない、という学者の使命感のほうが大きかったのです」

-日本国内の反発は?

 「右翼の攻撃は覚悟しました。幸い竹島問題が大きくなった2005年(島根県が竹島の日を制定した年)、こちらに引っ越しました。住所と電話番号は島根県のままなので、大学が『名誉教授の資格を剥奪せよ』という脅しを受けているそうです」  

-ところで今年、政府から勲章(中綬章)を授与されますね。

 「わたしも驚きました」(笑)

-なぜ文部科学省は授賞することにしたのでしょうか。

 「文部科学省の官僚が事情を知らなかったようです」

-もし知ったら。

 「悩むでしょうね。天皇が与える勲章ですから。天皇は(竹島問題に対して)どのように思っているのでしょうか。誰も確認していませんが、知りたいですね。皇居での授与式には出席しないつもりです」

-独島問題と関連し、日本が最も間違っている点は何ですか。

 「真実に基づかない主張をしていることです。これは致命的な欠陥ですね。外務省官僚は勉強していないため全く分かっていません」

-独島問題を韓国は歴史問題とみる一方、日本は領土問題とみています。お互いに理解することができない理由ですね。

 「国際法上、領土問題を論ずる際は歴史問題を前提としなければなりません。日本の国際法学者たちの場合、歴史に対する認識がありません。そのため(独島問題も)国際法上の手続きだけを問題としているのです」

-韓国の学者の研究を評価するなら。

 「歴史的事実に中立的に研究する方もおれば、不十分な方もいますね。事実的な基礎が不十分な研究を韓国の立場だと日本に紹介すれば、間違った部分が多いことから、日本の学者は『韓国の論理はおかしい』と思うでしょう。韓国人が日本政府の主張に対して感情的な反応を見せるように、日本人もそういった韓国の主張に対しては感情的に反応します」

神奈川=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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