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2度目のMD実験、迎撃には失敗 海自イージス艦

2008年11月20日23時42分

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 防衛省は20日、弾道ミサイル防衛(BMD)の海上配備型迎撃ミサイルSM3を搭載した海上自衛隊のイージス艦「ちょうかい」が、米ハワイ沖で発射試験を行ったと発表した。発射は成功したが、標的のミサイル迎撃には失敗した。海自のSM3発射試験は昨年12月に続いて2度目。

 日本のBMDは、SM3で敵の弾道ミサイルを迎撃し、撃ち漏らした場合は、地上配備の地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)で再び狙うシステム。昨年の試験は迎撃に成功したが、今回は標的の発射時刻などをイージス艦に知らせない条件で実施された。費用は約62億円。

 防衛省によると、20日午前11時21分(現地時間19日午後4時21分)、ハワイ・カウアイ島の米軍施設から標的のミサイルが発射された。洋上にいた「ちょうかい」がレーダーで捕捉し、3分後にSM31発を発射。SM3は大気圏外の標的に向かって予定の軌道を飛んだが、命中予定の数秒前に標的を見失った。

 SM3はイージス艦の制御を受けて飛んでいくが、命中直前には弾頭が自ら標的を探知する。今回はその段階で見失っており、弾頭部に「何らかの不具合が発生した」(海自)とみられる。SM3は米国製。米海軍は過去に15回の発射試験を実施し、迎撃を3回失敗しているという。

 海自は10年度までにイージス艦4隻をSM3搭載型に改修する予定。増田好平・防衛事務次官は定例会見で「技術的信頼性は高く、整備予定に影響はない」と話した。

 軍事評論家の江畑謙介氏は「徹底的な原因究明は必要だが、訓練をすれば信頼性は高まる」と指摘する。

 PAC3をめぐっては9月、標的の発射時間を知らされた条件での発射・迎撃に成功している。

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