1. 
2. 社会
3. 社会ニュース

　元厚生次官ら殺傷事件が発生した東京都中野区の現場付近で、少なくとも３件の不審な黒っぽいワンボックスカーの目撃情報が警視庁に寄せられていたことが２１日、分かった。埼玉県警の調べでも犯人が現場を徒歩で離れ、止めていた車で逃走した可能性が浮上している。

　中野区の吉原健二さん（７６）宅付近で最初に黒っぽいワンボックスカーが目撃されたのは、妻靖子さん（７２）が刺される約７時間前の１８日午前１１時２０分～同１１時半ごろ。吉原さん宅から約１３０メートル南の一方通行路で、車内に２０～３０代の野球帽姿の男がいたという。目撃者（４８）は「道幅が狭いところに邪魔だと思った。普段は見かけない車だった」と話している。

　次に事件前日１７日午後１時半ごろ、同じ場所に黒い不審車が停車していたと別の目撃者が証言。３度目は犯行時間の約１時間前に相当する１８日午後５時～同５時半ごろ。先の２件の目撃場所から南側約３０メートルの上鷺東公園横の路上で、主婦（４６）が黒いワンボックスカーを目撃している。

　付近は吉原さん宅から約８０メートルにわたり道路に残された血痕が途切れ、警察犬が足跡を追跡できなくなった地点。警視庁は、犯人が現場の下見後、同じ場所に逃走用車を用意し犯行に及んだ可能性もあるとみて、ナンバープレートの目撃者がいないか捜査している。

　また、埼玉県警によるさいたま市南区の山口剛彦さん（６６）の自宅周辺捜査で、犯人が履いていた靴を中国で靴底が製造された靴ひもタイプのスニーカーと断定。サイズは２６センチ前後。しかし警察犬は自宅から約２５０メートル先で足跡を追跡できなくなった。近くのＪＲ埼京線の高架下付近には時間貸し駐車場や商店の無料駐車場などが多数ある。埼玉県警は、犯人が現場を徒歩で離れ、電車ではなくこれらの駐車場に止めていた車で逃げた可能性もあるとみて、不審車の目撃情報を調べている。

　また死亡した山口さん、妻美知子さん（６１）の長男（３６）がこの日、埼玉県警を通じ「突然のことで家族含めショックを受けており、ただぼうぜんとしている状況です」という手書きのコメントを発表した。

　［2008年11月22日7時55分　紙面から］

ソーシャルブックマークへ投稿

ソーシャルブックマークとは

キーワード：

元厚生次官

• ウェブで調べる
• 過去記事を探す
• ＴＶ番組表をチェックする