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百年に一度の危機感

2008年11月22日

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 麻生政権は定額給付金でみそをつけた。景気対策のはずが、財政問題や弱者救済問題に足をすくわれて混乱に陥った。この政策が確固とした目的の上に立っていればこんなことはなかったはずだ。世界が未曽有の危機に直面しているこの時期に景気対策を考えること自体は正しい着想であったのに残念でしかたがない。

 グリーンスパン氏が「百年に一度の危機」と述べてから一種の流行語となった感があるが、彼の真意を理解して使っているのか疑わしい場合が多い。80年前に起こった世界大恐慌はまさに「百年に一度の危機」だった。この危機は結局、第2次世界大戦という世界的な犠牲を払わなければ脱出できないほどの深さだった。同様に、今回も極めて大きな代償を伴う恐れがあるという意味で「百年に一度の危機」なのだ。

 我が国の金融機関は国際化、戦略化が極めて遅れていた。このため、日本の経済界は米国発の金融危機に対して一様に距離感がある。口では「百年に一度」などという割には他人事(ひ・と・ごと)となっているが、単にタイムラグの問題でしかない。実体経済への負の影響が全面化したら一気に日本の危機が深まることは歴然としている。

 今回日銀が引き下げた金利水準、定額給付金問題の混乱、いずれをとっても「百年に一度の危機」を前にした対応には見えない。危機の現状に対する認識不足があるからだろう。日本は百年に一度の財政危機の中で、百年に一度の経済危機を克服しなければならない。これはG7の中でも最も大きな困難に直面する可能性があるということだ。そのような強い緊張感を持った経済運営が求められているのに金融財政政策に緊張感も危機感も感じられない。(龍)

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