混雑しないからと夜間にコンビニ感覚で小児科を受診する保護者‐。切迫する小児救急医療の実情と家庭での応急処置法をテーマにした講演会が19日、豊前市総合福祉センターであった。保護者ら約100人が参加、子どもに異変が起こった際の見極め方などを学んだ。
講演会は、保護者の適正な病院の利用と核家族化の進展に伴う育児不安の軽減を目的に、豊前青年会議所(久冨竜志理事長)が企画した。
豊前築上医師会によると、管内の小児科専門医は2人だけで、診療を行っている医師を含めても計13人しかおらず、小児科医師は不足している。豊築休日急患センターでの勤務に加え、行橋京都休日・夜間急患センターへの出張も余儀なくされ、勤務は多忙という。
講師を務めた、まえだ小児科医院の前田公史院長が、発熱、おう吐、腹痛・下痢、誤飲などの対処法を紹介。「熱があっても夜眠れて、顔色が変わらなければ大丈夫」、「せき込みだし、じんましんが出てきたらすぐに受診を」など具体例を挙げながら説明した。
2人の子どもを持つ築上町赤幡の保育士楳沢(うめざわ)佳代さん(39)は「子どもが発熱したときの対処法などとても参考になった」と話していた。
=2008/11/22付 西日本新聞朝刊=