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植物プラスチックのリサイクル技術開発 シャープ

2007年05月16日10時50分

 植物から作ったプラスチックの耐久性を保ちながらリサイクルする技術を、シャープが開発した。植物原料プラスチックに石油原料プラスチックを最大で3割混ぜたのがカギ。業界初といい、今年度中にテレビなどの製品に実用化する計画。

写真植物プラスチック(ポリ乳酸)と石油プラスチックをただ混ぜた場合の電子顕微鏡写真。ポリ乳酸(黒っぽい部分)が固まっている=シャープ提供

 トウモロコシ原料のポリ乳酸を、ポリスチレン系プラスチックに混ぜた。通常、両者を混ぜると水と油のようになじみにくく、材料の性能が落ちてしまうが、化学反応などでポリ乳酸を細かい粒にして、なじませるのに成功した。

 新たな材料は、強度などの性能が通常のポリスチレン系プラスチックと同等以上とわかった。さらに、溶かして繰り返しリサイクルする試験をしたところ、5回以上でも性能の低下はみられなかった。既存の石油プラスチック用リサイクル施設に持ち込めるという。

 地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の削減が課題になるなか、植物はCO2を吸収するため、植物プラスチックはごみとして燃やした際に出るCO2を「ゼロ」と見なすことができ、注目される。だが従来の植物プラスチックは耐久性などの問題で、完全に石油原料プラスチックと代えるのは難しかった。コスト高が課題として残るが、同社は植物プラスチック普及を進め、石油使用量を減らせると期待している。

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