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小沢・民主代表:「抜き打ち」行脚、解散先送りを機に加速 「中だるみ」警戒

 民主党の小沢一郎代表が新人候補陣営を中心とした抜き打ち地方行脚を精力的に続けている。麻生太郎首相が「年内の衆院選見送り」を決断した10月末からペースが加速。常々「年内解散」を唱えて奮起を促してきた小沢氏だけに、中だるみを警戒し、自ら全国を駆け回って党内の引き締めを図る狙いがある。小沢氏は「年内にすべての新人候補を回る」と公言。東京都内の自宅で開催してきた毎年恒例の新年会も今回は見送る方向で、年末年始も臨戦態勢を貫く構えだ。【渡辺創】

 「こんにちはー。頑張ってるか」。小沢氏は21日夕、秋田県湯沢市の新人候補事務所に顔を出した。候補者は支持団体回りで不在。「来るとは全然聞いてなかった」と驚く女性スタッフに「日常活動をしっかり頑張って、集会をきちんとやりなさい」と激励した。滞在は10分だった。

 小沢氏は10月28日以降21日までに、東海、関西、四国、東北の12県を回ったが、いずれも来訪予定を事前に伝えない。「事務所の日常を見れば陣営の実情が分かる」との持論に基づく行動だ。田中角栄元首相直伝で、自民党幹事長時代に定着した。候補者の街頭演説の姿を車内から隠れて観察したり、事務所でもコートすら外さず、椅子にも腰掛けずに次に向かうこともしばしば。ある新人候補は「はやてのように来て、はやてのように去った」と語った。

 訪問先で必ず触れるのは「早期解散」論。「(解散への)陣痛は始まっている。そう遠くはない」などと緩みを引き締める。14、15日の四国行脚では、全行程約700キロをすべてレンタカーで移動。15日は早朝から松山市の新人候補の事務所に乗り付け、「不在」と確認するやすぐ撤収。その後、「日課」としている昼食後の休憩を大幅に短縮し、高知市から約70キロ離れた四万十市を訪れ、約5分の滞在で陣営を激励した。「予告なしで生の姿をチェックされる。常に動かざるを得ない」と各候補を恐れさせている。

毎日新聞 2008年11月22日 東京朝刊

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