日本で生まれ育った13歳のフィリピン国籍の少女が、強制送還しないで欲しいと訴えている問題です。少女は法務大臣の在留特別許可を求めていますが、森法務大臣は21日の会見で「個別の事案についてのコメントは差し控える」と述べるに止まりました。
「私にとって日本は、自分が生まれ育った大好きな国です」(カルデロンのり子さん)
生まれ育った日本で暮らしたいと訴えるフィリピン国籍の少女、カルデロンのり子さん(13)。国外退去の期限が今月27日に迫る中、20日、両親と2300人分の署名を法務大臣と文部科学大臣あてに提出しました。
署名を受け取った2人の大臣は、どう答えるのでしょうか。
「こういった事案は、これひとつにとどまらない。個別の事案についてのコメントは差し控えます」(森英介法相)
「今回の問題は、最高裁で判決が出ている。不法な滞在であって、法的に守っていただかなければならないと考えておりますので」(塩谷立文科相)
2人の大臣の発言にのり子さんは・・・
「フィリピンという母国があったとしても、私にとっては見知らぬ国なんです。だから、これからも日本で友達みんなと勉強を頑張りたいので、お願いします」(のり子さん)
「いい方向にいくかと思ったけど・・・」
「これ以上、のり子ちゃんの泣き顔も見たくない」
「カルデロン一家をこれ以上苦しめてほしくない」(同級生)
一家を日本に残して欲しいと署名に協力した地域の人たちは・・・
「のり子ちゃん、かわいそうだね」(アパートの大家)
「人道的配慮を持ってやっていただきたいのに、わかってくれないのかなと感じた」(近くの美容院の店主)
のり子さん一家が求めているのは、法務大臣の裁量で行う「在留特別許可」。去年、イラン人一家のケースでは、日本の短大への進学が決まっていた18歳の長女にだけ認められました。
今年3月、難民申請を退けられたクルド人の父親と、フィリピン人の母親を持つ7歳の女の子のケースでは、一家全員に許可が認められました。
入国管理局は人道的配慮の必要性などを考慮して総合的に判断するとしており、詳しい基準は明らかにされていません。
「フィリピンに帰ればタガログ語ができないので、小学校1年生に逆戻りになる。人格、彼女自身を保つことができなくなる」(のり子さんを支援する渡辺彰悟弁護士)
退去期限まであと6日。一家は最後まで、法務大臣の判断を見守りたいとしています。(21日16:24)