2008年 11月 21日
中国崩壊論の崩壊その1 |
中国の貿易黒字が過去最大 9月は293億ドル
今日の日経の1面トップ記事は、中国がアメリカAIGからアリコの株式49パーセントを取得する交渉を年内にも合意に向けて行っているというものである。AIGのアジアの拠点アリコを中国が取得すると言うことは、米中連合で日本市場を開拓しようとするものであり、国際的金融再編に中国の存在感が一段と増していると日経は書いている。
また、同じ日の日経は、中国が空母を建造を加速し、艦上機の訓練も行っていると報じている。艦載機60機程度の中型の通常エンジンの空母であり、旧ソ連諸国から購入した空母「ミンスク」などを国産技術の参考にしていると言う。
上の二つのニュースを見ると、経済的には米中が組んでアジアへの市場開拓を行い、軍事的には太平洋の真ん中辺りで米中の勢力圏を分割しようという、日本にとって悪い冗談のような悪夢が現実味を帯びてくる。
米中のはざ間にある日本の経済は、来年はマイナス成長が予測されており、貿易赤字も連続8ヶ月に及び、中国が9月に200億ドルを超える過去最大の黒字を記録したのと対照的である。国家財政は日本の政府は税収の20年分以上の借金があり、事実上破綻しているのにもかかわらずIMFに10兆円拠出するなど無戦略なアメリカ追従をしており、57兆円の財政出動をして内需拡大10項目の経済対策を直ちに実行し、国際的にはじっくり駆け引きする中国の存在感とは際立っている。
現今の世界的金融動乱の只中で人の良い駆け引きの知らない麻生外交は、日本経済を奈落の底に落とさなければいいが、ネットウヨや某元幕僚長がよく言う、戦争に負けて廃墟になったのは蒋介石とルーズベルトに騙され、はめられたからだ、日本は悪くないんだ、と後から幼稚なことを言うようなことにならないようにしてほしい。
歴史は繰り返すと言うが、何の戦略もなしにアメリカにしっぽを振る麻生首相は、不況の時代に胡散臭いナチスドイツに尻尾を振った広田弘毅に重なって見える。胡錦濤は蒋介石に見えなくはないが、オバマがルーズベルトに重なるところは民主党ということだけか、あるいは肌の色が違っても偉大な業績を残すのだろうか。いずれにしても、あの頃の米中の国力の差と比べると今の中国の勢いはちょっと違っている。同じなのは日本の指導者がリーダーシップに欠け、国家戦略を持たないことだ。(応援クリックしていただければ感謝します。)
安全保障の面では、日本の自衛隊はトップの不祥事からはじまって、四国沖では中国潜水艦の領海侵犯を取り逃がし、昨日の新聞にはイージス艦「ちょうかい」が19日夕(日本時間20日午前)、米ハワイ沖の太平洋上で、模擬弾道弾を迎撃するミサイル実射に失敗したと報じられている。前回、イージス艦「こんごう」が成功した時には、米軍側から模擬弾を発射する時間を事前に知らされていたが、今回は知らされていなかったという。要するに実戦にはまだ役立たずということだ。実験にかかった費用は約60億円とされる。こんなことで近い将来出現する中国の空母を主力とした機動部隊に対抗して尖閣諸島の領有権や排他的経済水域をめぐる紛争に対処できるのであろうか。
しかし、ネットウヨの言うように中国から資本を引き上げたり、富裕層人口が日本に迫る中国からの観光客を断ったり、あるいは極端なネットウヨが言うように中国と戦争するというわけにはいかない。グローバル社会が進展し、ポスト近代に向かって世界は突き進んでいる。ネットウヨの言うのと反対に国内や北米の市場が伸び悩む中で、自動車などの製造業やコンビニなどの小売業は、これからも成長が見込まれる中国やインドにどんどん投資を増やしている。
中国がAIGを買収するのがけしからんと言っても、今年になってからだけでも、
○ 三菱UFJフィナンシャルグループ → モルガンスタンレー(証券)
○ 野村ホールディングス → リーマン・ブラザーズ(証券、アジア部門)
○ 武田薬品 → ミレニアム・ファーマシューティング(製薬)
○ 新生銀行 → GEコンシューマー・ファイナンス(金融)
○ 東京海上日動火災保険 → フィラデルフィア・コンソリディティッド(保険)
○ リコー → アイコンオフィスソリューションズ(情報機器販売)
○ 塩野義製薬 → サイエル(製薬)
○ みずほコーポレート銀行 → メリルリンチ(金融)
○ 武田薬品工業 → アムジェン(製薬)
○ NEC → ネットクラッカー(IT)
○ ソニー → グレースノート(IT)
○ みずほコーポレート銀行 → エバコア(銀行)
○ 三井化学 → シルビュー・テクノロジーズ・グループ(化学)
○ 丸一鋼管 → リービット・チューブ・カンパニー(鉄鋼)
○ 藤倉化成 → レッドスポットペイントアンドバニッシュ(化学)
○ 京セラミタ → ピアレス・システムズ(精密)
と数え切れないほど日本企業は、アメリカの企業の買収や出資をしており、総額3兆5千億円ほど投資して世界市場を狙って打って出ようとしている。
アメリカの報道は、これらの日本企業による買収について、「あと5年もすれば中国やインドがグローバル企業として買収に乗り出してくる。今回の日本企業の買収は最後で最良の買収のチャンスとなるだろう。」と報じているが、国内の金利が低く楽に儲けてきた日本の金融業などが世界に出て行っても全く通用しないだろうというアメリカの著名学者の見解もあるようだ。いずれにしても、麻生総理のリーダーシップ如何に国運がかかっている。戦線を拡大しすぎて補給線を切断され、糧秣尽きて玉砕だ,最後のチャンスだったのにと何回目かの敗戦にならないようにしてもらいたい。
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今日の日経の1面トップ記事は、中国がアメリカAIGからアリコの株式49パーセントを取得する交渉を年内にも合意に向けて行っているというものである。AIGのアジアの拠点アリコを中国が取得すると言うことは、米中連合で日本市場を開拓しようとするものであり、国際的金融再編に中国の存在感が一段と増していると日経は書いている。
また、同じ日の日経は、中国が空母を建造を加速し、艦上機の訓練も行っていると報じている。艦載機60機程度の中型の通常エンジンの空母であり、旧ソ連諸国から購入した空母「ミンスク」などを国産技術の参考にしていると言う。
上の二つのニュースを見ると、経済的には米中が組んでアジアへの市場開拓を行い、軍事的には太平洋の真ん中辺りで米中の勢力圏を分割しようという、日本にとって悪い冗談のような悪夢が現実味を帯びてくる。
米中のはざ間にある日本の経済は、来年はマイナス成長が予測されており、貿易赤字も連続8ヶ月に及び、中国が9月に200億ドルを超える過去最大の黒字を記録したのと対照的である。国家財政は日本の政府は税収の20年分以上の借金があり、事実上破綻しているのにもかかわらずIMFに10兆円拠出するなど無戦略なアメリカ追従をしており、57兆円の財政出動をして内需拡大10項目の経済対策を直ちに実行し、国際的にはじっくり駆け引きする中国の存在感とは際立っている。
現今の世界的金融動乱の只中で人の良い駆け引きの知らない麻生外交は、日本経済を奈落の底に落とさなければいいが、ネットウヨや某元幕僚長がよく言う、戦争に負けて廃墟になったのは蒋介石とルーズベルトに騙され、はめられたからだ、日本は悪くないんだ、と後から幼稚なことを言うようなことにならないようにしてほしい。
歴史は繰り返すと言うが、何の戦略もなしにアメリカにしっぽを振る麻生首相は、不況の時代に胡散臭いナチスドイツに尻尾を振った広田弘毅に重なって見える。胡錦濤は蒋介石に見えなくはないが、オバマがルーズベルトに重なるところは民主党ということだけか、あるいは肌の色が違っても偉大な業績を残すのだろうか。いずれにしても、あの頃の米中の国力の差と比べると今の中国の勢いはちょっと違っている。同じなのは日本の指導者がリーダーシップに欠け、国家戦略を持たないことだ。(応援クリックしていただければ感謝します。)
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しかし、ネットウヨの言うように中国から資本を引き上げたり、富裕層人口が日本に迫る中国からの観光客を断ったり、あるいは極端なネットウヨが言うように中国と戦争するというわけにはいかない。グローバル社会が進展し、ポスト近代に向かって世界は突き進んでいる。ネットウヨの言うのと反対に国内や北米の市場が伸び悩む中で、自動車などの製造業やコンビニなどの小売業は、これからも成長が見込まれる中国やインドにどんどん投資を増やしている。
中国がAIGを買収するのがけしからんと言っても、今年になってからだけでも、
○ 三菱UFJフィナンシャルグループ → モルガンスタンレー(証券)
○ 野村ホールディングス → リーマン・ブラザーズ(証券、アジア部門)
○ 武田薬品 → ミレニアム・ファーマシューティング(製薬)
○ 新生銀行 → GEコンシューマー・ファイナンス(金融)
○ 東京海上日動火災保険 → フィラデルフィア・コンソリディティッド(保険)
○ リコー → アイコンオフィスソリューションズ(情報機器販売)
○ 塩野義製薬 → サイエル(製薬)
○ みずほコーポレート銀行 → メリルリンチ(金融)
○ 武田薬品工業 → アムジェン(製薬)
○ NEC → ネットクラッカー(IT)
○ ソニー → グレースノート(IT)
○ みずほコーポレート銀行 → エバコア(銀行)
○ 三井化学 → シルビュー・テクノロジーズ・グループ(化学)
○ 丸一鋼管 → リービット・チューブ・カンパニー(鉄鋼)
○ 藤倉化成 → レッドスポットペイントアンドバニッシュ(化学)
○ 京セラミタ → ピアレス・システムズ(精密)
と数え切れないほど日本企業は、アメリカの企業の買収や出資をしており、総額3兆5千億円ほど投資して世界市場を狙って打って出ようとしている。
アメリカの報道は、これらの日本企業による買収について、「あと5年もすれば中国やインドがグローバル企業として買収に乗り出してくる。今回の日本企業の買収は最後で最良の買収のチャンスとなるだろう。」と報じているが、国内の金利が低く楽に儲けてきた日本の金融業などが世界に出て行っても全く通用しないだろうというアメリカの著名学者の見解もあるようだ。いずれにしても、麻生総理のリーダーシップ如何に国運がかかっている。戦線を拡大しすぎて補給線を切断され、糧秣尽きて玉砕だ,最後のチャンスだったのにと何回目かの敗戦にならないようにしてもらいたい。
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Tags:中国経済