医学生の7割以上が、医師不足地域で勤務しても構わないと考えていることが21日、全国医学部長病院長会議と臨床研修協議会の共同アンケート調査(速報値)で分かった。「給与などの条件が合えば」というのが前提で、医師としての経験を積むほど肯定派は減少している。深刻な医師不足解消には、地方病院などでの受け入れ環境整備が課題になっている。
調査は医師不足や医師の偏在が表面化するきっかけとなったと指摘される初期臨床研修制度の見直しのため厚生労働省と文部科学省が合同で設置した検討会に提出するために実施。大学医学部の6年生や研修医、中堅の指導医など約1万5000人に調査票を配布し、今月11日までに回答した約9000人分を分析した。
医師不足地域に従事することへの考えを尋ねたところ、「条件が合えば従事」が医学生で70.5%、1、2年目の研修医で65.4%、3―5年目の研修医で58.9%と経験を積めば積むほど減少、指導医では47.4%と半数を割った。(00:29)