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離島医療:学んだ医学生に変化 「興味」20ポイント増、8割超に

 離島の医師不足が深刻化していることを受け、琉球大学医学部が実施している離島の専門医を育成するプログラム「離島医療人養成教育プログラム(RITOプロ)」で、離島実習前に離島医療に興味があると答えた学生は64・6%(62人)だったのに対し、実習後は82・3%(79人)に増加していることが同大が実施したアンケートで分かった。実際に現場を体験することで離島医療に興味を示す学生が増え、学生の離島医療への動機付けとなっていることが明らかになった。

 プログラムは離島で特に不足しているプライマリ・ケア(初期診療)科、産婦人科、脳神経外科、麻酔科の専門医を育てるもので、卒業前の全員に離島研修を義務付けている。

 本年度は医学部の4年生96人が夏休みの5日間、県立宮古病院、県立八重山病院、公立久米島病院のいずれかで実習を受けた。学生からは「科を越えて患者を診療するオールラウンドな医師は大変面白いと感じ、将来離島で働いてもよいと思えるようになった」「『離島医療』と言えば何もない辺境の地で孤独にやっているイメージだったが、そうでないことが分かった」など実習前と後では離島医療に対する印象が変化したという感想が多数寄せられている。

 同プログラム専門部会の吉井與志彦会長は「離島医療を知らないまま医師になっていることも多い。(この結果が)すぐに離島勤務につながるわけではないが、興味を持ってもらい、それを継続できれば離島医師確保につながる」と期待する。

 一方、文部科学省の補助事業として3年間の期限付きで2005年度から始まった同プログラムは補助事業終了後の本年度は琉大の単独事業として実施している。学生たちの滞在費や研修病院への謝金など年間約1000万円が必要で同大は事業継続のための寄付を募集している。

 吉井会長はプログラムは医師たちが離島で勤務しやすい態勢を長期的につくるものであることを強調し「医療関係者だけでなく県民、行政、大学などが離島医療について理解することが必要だ」と県民の協力を求めている。(玉城江梨子)

(琉球新報)

2008年11月21日

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