長崎市立市民病院と日赤長崎原爆病院の統合を提案している金子原二郎知事は20日、長崎市役所を訪れ、統合に難色を示している田上富久市長と会談。新病院が赤字となった場合、半額を負担する新たな支援策を提案し、あらためて統合を求める申し入れ書を手渡した。
金子知事の提案は、県と市が新病院を運営する一部事務組合を設立し、指定管理者に運営を委託。赤字が出た場合は県と市で折半するとの内容。金子知事は田上市長に対し「今後の県全体の医療体制を考え、ぜひご協力をお願いしたい」と理解を求めた。
提案に対し、田上市長は「指定管理者の導入や両病院の統合などをセットで行わなければならないのか」とだけ質問。金子知事が「セットですね」と答えると、田上市長は「検討したい」と述べ、賛否についての明言は避けた。
会談後、金子知事は報道陣に対し「市にとっては迷惑かもしれないが、チャンスでもある」などと話した。
県側は10月29日にも、田上市長に対し、土地取得費の支援などを提示したが、田上市長は市民病院の現在地建て替え方針を崩さなかった。25日開会の定例市議会には、現在地で市民病院と市立成人病センターを統合する新病院の運営計画策定に関する補正予算案を提出する方針。
=2008/11/21付 西日本新聞朝刊=