現地建て替えか移転新築かで揺れる前橋赤十字病院(前橋市朝日町3)が20日、近隣住民への説明会を開いた。宮崎瑞穂院長が移転新築を希望すると明言したのに対し、住民側からは移転反対の意見が相次ぎ、議論は平行線をたどった。
説明会には近隣7自治会の役員約20人が出席。宮崎院長は「(住民に)説明せずに話を進めたことへの怒りはもっとも」と陳謝したうえで「(07年11月の)病院経営審議会で、移転が望ましいという私の考えを伝え、審議会の結論も同じになった」と説明した。
これに対し住民側からは「建て替えは必要だが現在地の周囲を買収すれば可能では」「市街地空洞化が心配だ」などの反対意見が出た。宮崎院長は「人が住んでいるところを買収するのは困難」などと対応。移転の場合、新敷地は約3万坪(10万平方メートル)が理想で、市街地に極めて近い場所を想定していることも明らかにした。
説明会後、住民側は会合を開き「移転反対」の方針を貫くことを確認した。近く移転反対の請願を県議会と前橋市議会に提出する。
建て替え検討審議会(座長=鶴谷嘉武・県医師会長)の答申を踏まえ、日本赤十字社県支部長の大澤正明知事が判断を下す。【塩崎崇】
毎日新聞 2008年11月21日 地方版