民主主義の危機
麻生政権の求心力が急激に低下し、日本の政治全体が漂流している。本来なら野党に政権をよこせというところだが総選挙は先送り。しかも与野党の差が200議席以上ある衆議院では与党内で多少の造反があっても内閣不信任案が可決できる可能性は極めて少なく、野党からの攻勢は国会質疑を通じてしかないのが現状。政権の求心力がなくなった場合、通常なら自民党の中で何らかの動きが出るところ。しかし安倍、福田と2代続いた政権放り出しの後、麻生総理を自民党議員の圧倒的多数で選出して間もないこともあって、自民党内の動きも鈍い。このまま日本政治の漂流が続くと政党政治、議会政治に対する国民の不信が高まり、直接行動的な傾向が出てくることが怖い。現職自衛官の幹部、田母神氏の言動や厚生次官に対するテロなど心配な傾向が出てきている。議会制民主主義を機能させるためには、どの党に有利不利ということを超えて早急に解散総選挙を行い、沈滞した現在の政治を刷新する必要がある。総選挙の先送りは国民の鬱積を蓄積させ、民主主義を危機に陥れる。