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【社説】日本による独島挑発と韓国の戦略的対応

 日本の文部科学省が中学校教科書学習指導要領解説書に独島についての解説を記載した。その内容は、「わが国(日本)と韓国の間に竹島をめぐって主張に相違があることなどにも触れ、北方領土と同様に、わが国の領土領域について理解を深めさせることも必要」というものだ。同解説書は第2次大戦での敗戦以降ロシアが実効支配している「北方領土」について、「日本固有の領土であり、ロシアが不法に占領している」と説明している。遠回しにではあるが、独島も「北方領土」と同様、日本の領土だと表現しているのだ。韓国政府は日本に対して何度も反対の意志を伝え自制を要請してきたが、日本はこれをついに無視した。すでに日本の多くの中高の教科書では独島が日本領土であるかのように記載されているが、政府レベルでの教科書執筆の指針書でこの問題に直接言及したのは今回が初めてであり、また次元の異なる問題でもある。

 日本は韓国を刺激して独島を紛争地域化し、日本人の裁判官がいる国際司法裁判所に問題を持ち込もうとしているのだろうが、国際司法裁判所による審理は紛争当事国の同意が必要となっているので、韓国がこれに応じない限り最初から不可能だ。結局日本が独島を奪うには戦争を起こすしかないということになる。

 それでも日本は無謀な独島領有権の主張を今も続けており、またその主張の度合いも高めている。とりわけ日本の極右勢力は先制武力攻撃を行使して独島を占領し、その後国際司法裁判所へ問題を持ち込むという作戦まで提示している。要するに日本の動きは外交のレベルを超えているとしか言いようがないものだ。

 日本が独島問題について現状維持を拒否してきた以上、韓国政府としても新たな対応を取る以外にないだろう。韓国政府は今後独島に対する実効支配の強化に向け、独島に漁師のための宿泊施設を建設し、また学生のキャンプを許可するなどの措置を取ると表明した。日本は再び海洋調査船を独島周辺に送るなどの対抗措置を取るだろうから、結局両国の警備艇が海上で衝突直前の事態となった2006年と同様の状況を招く可能性が高い。その結果としてどのようなことが起こったとしても、その責任は先に挑発を行った日本が負うべきものだ。

 独島問題は日本に対して感情的に報復を行うことだけが対策ではない。すでに独島を支配している大韓民国としては、独島を紛争地域にしようとする日本の戦略に巻き込まれてはならない。2004年に中国人活動家たちが尖閣諸島(中国名、釣魚島)に上陸し、自国の領土であると主張する抗議行動を行った際、日本は彼らを逮捕したが、外交当局やマスコミは問題を大きくしないよう努めた。大きくしたところで何の利益にもならないからだ。

 日本による独島の領有権主張は今後も続くと考えなければならない。韓国の大統領は政権を取れば日本に対し、「新時代を開く」などのぎこちない宣言を行いながら、国民に対してこのような問題はもう起こらないかのような誤った認識を持たせてきた。このように自分のおので自分の足を裂くような愚かな行為は、今後は繰り返してはならないのだ。

 日本が何を言ってきても独島は永遠に大韓民国の領土だ。われわれが日本の挑発に一喜一憂する必要もなく、またそれにより大切な国益を失うべき理由もない。日本政府と右翼の動向についての監視を行いつつも、一方では常に冷静な対応を取り、独島がわれわれの領土であることを立証できる歴史的資料の提示など、国際法に沿った対応を強化する努力を今後も引き続き行っていく必要があるのだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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