呼吸回路閉塞事故で都が回収命令―ジャクソンリース回路
麻酔や人工呼吸などに用いるジャクソンリース回路と人工鼻の併用で、乳幼児の呼吸回路が閉塞する事故が発生していたことが、このほど東京都の発表で分かった。ジャクソンリース回路を製造・販売していた五十嵐医科工業(東京都文京区)に対し、都は製品の回収を命令した。
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厚生労働省や都によると、事故は石川県内の医療機関で起こったもので、患者は1歳未満の乳児。同社が製造・販売していた「OR ジャクソンリース セット」と人工鼻の併用で呼吸回路が閉塞し、肺が損傷。患者は一時、生命の危険にさらされたが、現在は持ち直しているという。
ジャクソンリース回路をめぐっては2001年、小児用の気管切開チューブとの併用で、ジャクソンリース回路の内管が小児用気管切開チューブにはまり込み、呼気が吐けなくなった結果、幼児が死亡する事故があった。これを受け厚労省は、特定の製品との組み合わせによって呼吸回路の閉塞を招く恐れのある一部の製品について、製造業者や販売業者に自主回収を指示。五十嵐医科工業が製造・販売していた「OR ジャクソンリース セット」も、回収の対象になっていた。
今回の事故を受け、厚労省は01年に自主回収の対象となった製品を製造・販売していた各業者に対し、回収の徹底を図るよう通知。また、都道府県を通じて全国の医療機関に注意を喚起する通知を出したという。
回収の徹底が通知された製品は次の通り。
「OR ジャクソンリース セット」(五十嵐医科工業)▽「Bスイム ジャクソンリース セット」(同)▽「アコマ麻酔器PRO」の付属品であるジャクソンリース小児用麻酔回路(アコマ医科工業)▽「ノーマンマスクエルボ」(製造業者=米DUPACO社、販売業者=アネス)▽ジャクソンリース蘇生回路のうち垂直型エルボーを有する製品(製造業者=米バイタルサインズ社、販売業者=小林製薬)
更新:2008/11/21 20:26 キャリアブレイン
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