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重症を軽症と識別3件、「危険な識別」ゼロ/横浜市の119番トリアージ1カ月
- 政治・行政
- 2008/11/21
横浜市は二十一日までに、一一九番通報に全国で初めて導入した「コールトリアージ」について、一カ月間の運用状況をまとめた。それによると、重症者を軽症者と識別した例が三件あった。生命が危険な状態にある傷病者を軽症者と識別した例はなかった。
コールトリアージは十月に始まった。通報を受けた指令管制員が呼吸や意識の状況などをパソコンに入力し、傷病者の「緊急度・重症度」(五段階)、「部隊編成」(三段階、二~九人)を識別。軽症者には効率的、重症・重篤者には手厚く対応する仕組み。
十月の識別件数は計一万千百五十五件。部隊編成の内訳は▽レベル1=生命の危険が切迫している重症・重篤者が七百八十九件(7・1%)▽レベル2=搬送困難な軽症者から生命の危険性を伴う重症者までが九千七百九件(87・0%)▽レベル3=自力歩行が可能な軽症者(5・9%)は六百五十七件―だった。
搬送先の医師の診断より軽く判断した「アンダートリアージ」は計四十五件で、このうち「背中が痛い」と訴えた傷病者が心筋梗塞(こうそく)と診断されるなど、重症者を軽症者と識別した例が三件あった。生命が危険な状態にある傷病者を軽症と識別する「危険なアンダートリアージ」はなかった。
軽症の約九割は中等症以上と、より重く識別した「オーバートリアージ」だった。通報内容が健康相談などのため救急車が不要と判断し、同意を得た上、百十九件を民間救急相談に転送した。
市安全管理局は「アンダートリアージを減らすことを含め、練度を上げていきたい」と話している。
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