100年前西洋人の目に映った韓国
100年前のこの地の風景が白黒写真で蘇る。1904年に韓国を訪問、ソウル、仁川(インチョン)、釜山(プサン)、平壌(ピョンヤン)の風景を撮影したオーストラリアの写真家、ジョージ・ローズ(1861~1942)の写真集が発売された。
濠韓財団と教保(キョボ)文庫が共同出版した写真集のタイトルは『オーストラリアの写真家が見た韓国1904』。
100年前の40点の写真には藁屋の後に高くそびえる明洞(ミョンドン)聖堂、市電通りや電信柱など徐々に開化の波が押し寄せている姿が写真からうかがえる。特にカメラを物珍しそうに見つめる活力に溢れた当時の人々と日本人の姿が重なり、100年後に写真集を目にした人々に不思議な緊張感を与える。
写真が撮影されたのはソウル城門内に14万5000人、城門外に7万5000人が住んでいた時代。写真には街中を行くジャンオッ(外出の際に女性が顔を隠すために頭からかぶったもの)をかぶった韓国人女性、着物を着た日本人女性、蝶ネクタイをした日本人、ドポ(男性が上着の上に羽織る袖が広くて長い礼服)を着た韓国の若者たちが一枚の写真に収まっている。
藁葺のやわらかく温かい線は山の尾根と見事に重なり、西洋建築の家が整然と並び、たくさんの船が停泊する済物浦(チェムルポ)はまるで映画セットのようだ。
写真を良く見ると興味深い場面も多い。南大門(ナムデムン)の写真を良く見てみると一生懸命に城壁を登っている男の姿が見える。城門が閉まった後に都城内に入ろうとしているのか、それとも城門まで歩いて行くのが面倒でそのまま城壁を越えようとしている姿なのかも知れない。
東大門(トンデムン)から見下ろした風景の一方には、刀を差した日本人に連れて行かれる韓国人の姿も見える。
ジョージ・ローズは写真と共に一言を添えている。「…電話線や電線、発電所の煙突から吐き出される煙など、新しい文明の姿を記録しなければならない」、「団扇を手にポーズを取った男性は喜劇オペラに登場する俳優のようだ」、「(家柄の良い女性たちは)夏になると竹の枝で作った大きな篭で顔を覆って外出する」など、西洋人が見た異国的な風景に対するコメントが書かれている。
本にはジョージ・ローズが好奇心でカメラのシャッターを切ったその瞬間が収められており、当時の韓国の様子がありありと伝わってくる。
鄭在娟(チョン・ジェヨン)記者 whauden@chosun.com
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