朝鮮はニワトリ、中国は豚? 漫画に見る日本帝国主義
【新刊】韓相一、ハン・ジョンソン著『日本、漫画で帝国を描く』(一潮閣)
豊臣「おや、伊藤公ではありませんか。意外に早くこちらへ来られましたね。貴公の胸に生じた傷は何よりも貴重な勲章です」
伊藤「偶然起きた事件のため、こんなに早くあの世へ来ることにはなりましたが、300年前貴公が初めて見せた意志を、今日ようやく成し遂げました」
これは1910年11月、日本の時事漫画雑誌『東京パック』に掲載された漫画の内容だ。「あの世で会った両雄の握手」という題名の絵で、壬辰倭乱(文禄・慶長の役)を起こした豊臣秀吉が初代韓国統監・伊藤博文との出会いを喜び、握手しながら韓国併合を祝っている場面だ。その左下には安重根に狙撃された伊藤の血が韓半島(朝鮮半島)を赤く染め、日本領土となっていく絵が添えられている。この漫画を通じ、日本国民は伊藤の血が韓国併合の土台となり、秀吉以来追求してきた歴史的課業が完遂されたと考えるようになった。
近代西欧文明をいち早く受け入れた日本は、19世紀末に帝国主義へと進出し、時事風刺漫画を通じて帝国建設の正当性を広く訴えようとした。そして、文章よりも素早く様々な意味を伝えられる漫画は読者たちを一挙にとりこにしていった。同時期に創刊された『The Japan Punch』、『団団珍聞(まるまるちんぶん)』などの時事漫画雑誌や『時事新報』、『大阪朝日新聞』などの新聞は時事漫画を通じて朝鮮と中国を「野蛮」に、日本を「文明」として描き、国民の積極的な参加を導き出した。
このように漫画の中の朝鮮はだだをこねる幼子や、か弱い女性のように、常に保護されるべき対象として描かれていた。また、中国は豚として登場し、汚く醜い存在として描かれた。一方、日本は昇る太陽または精かんで活気に満ちた軍人の姿で登場した。こうした漫画を通じ、日本国民は「アジアを文明の世界に導く日本」という認識を内面化しつつ、帝国建設に進む道に自ら喜んで献身した。
このように漫画を通じて日本帝国主義を分析した『日本、漫画で帝国を描く』の著者は実の親子だ。父の韓相一(ハン・サンイル)国民大教授は日本政治を専攻した政治学者であり、娘のハン・ジョンソン博士は日本文化史を専攻した歴史学者だ。2000年に父の方から一緒に本を書いてみないかと提案し、6年越しで実を結んだ。
この本は朝鮮の開国から日清戦争と日露戦争、韓国併合、そして最近出版された『嫌韓流』まで、日本の漫画を通じて見た「視線の政治」を整理している。ハン・ジョンソン氏は「今日の日本の漫画は、過去の時事漫画が作り出した隣国をわい曲するイメージを再び呼び起こし、日本帝国建設への参加を促している」と語った。
イ・ハンス記者
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