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「非人間的な日本はむしろ後進国」

【新刊】杉田聡著/ヤン・ヨンチョル訳『「日本は先進国」のウソ』(ことばの輝き)

 「正常な人間は、日本のような非人間的な社会では長く我慢できない」

 これは、杉田聡氏が本の156ページに書いた一文だ。1953年埼玉県生まれの著者は、「果たして日本は本当に先進国なのか」という疑問から出発し、政治・教育・男女平等・労働・環境などさまざまな分野にわたり、自らの祖国を徹底的に分析した。

 著者が示す日本の現実は、想像していた以上に衝撃的なものだ。司法行政を担当する官僚たちが裁判官の人事に関与することで司法の独立性が侵害され、第2次世界大戦終結後から昨年までに下された違憲判決はわずか6件。生活保護対象者の数が限定されており、病気を患っていた52歳の男性が生活保護を放棄するよう強要され、遂には飢え死にした。

 著者はこうした例を通じ、日本が国民と環境に配慮せず他国を脅かす「開発途上国に近く、状況によってはむしろ後進国だ」と記した。著者個人の価値観に基づいた部分もあるが、総じて事例が充実している。著者のこうした日本批判を通じ、高い教育費や長い労働時間など、韓国社会もまた同様に直面している問題を振り返る機会にもなる。

キム・ジンミョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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