人権立国への確かな一歩に
公明新聞:2008年11月18日
公明が一貫してリード 婚外子の差別規定撤廃を歓迎
国籍法改正
「児童は出生の時から(中略)国籍を取得する権利を有する」との「子どもの権利条約」第7条の規定を待つまでもなく、出生による子どもの差別は、いかなる理由があれ、許されない。一日も早く法改正を実現し、人権立国への確かな一歩を刻まなければならない。
婚姻関係のない日本人の父親と外国人の母親の間に生まれた、いわゆる婚外子の国籍取得を可能にする国籍法改正案が国会に提出された。改正論議を一貫してリードしてきた公明党の要請を受け、スピード感を持って法案化を進めた政府の姿勢を、まずは率直に評価したい。
現行法は、父親が日本人で母親が外国人の場合、父親が出生時に胎児認知すれば、両親に婚姻関係がなくても子どもは日本国籍を取得できるとしている。しかし、出生後認知の場合には父母が結婚しない限り、日本国籍の取得を認めていない。このため、当該の子どもは実質的に日本人として暮らしていても、法律的には“外国人”としての生活を余儀なくされている。
こうした中、最高裁判所は今年6月、婚姻関係の有無で国籍取得を差別するのは、憲法第14条の「法の下の平等」に反すると判断。婚外子の区別を定めた現行法第3条1項を「合理的な理由のない差別」規定として、国に法改正を求めた。
最高裁のこの違憲判決に素早く対応したのが公明党だった。判決翌日には早くも、浜四津敏子代表代行らが鳩山邦夫法相(当時)に会い、速やかな法改正を要望。併せて、党内にプロジェクトチームも発足させ、専門家らとの議論を重ねながら改正の中身も詰めてきた。
こうした公明党の力強い取り組みでまとまった今回の改正案では、“違憲規定”である第3条1項の結婚要件が削除されているほか、偽装認知など不正な国籍取得行為に対する罰則も新設。経過措置として、これまで国籍取得が認められてこなかった人たちの国籍取得にも道を開いている。いずれも公明党の提案で盛り込まれたものだ。
子どもの権利を守れ!
他党を圧倒する形で、公明党が国籍法改正に全力を注いできた理由はただ一つ、「子どもの人権の尊重が第一義」(浜四津代表代行)との考えからだ。父母の結婚の有無という、いわば「親の都合」で子どもが不利益を受けるような社会を放置しておいてなるものか――。党を挙げてのそんな思いと行動が、ここまで短期間での法案化を勝ち取ったと自負している。
もとより、公明党が掲げる「チャイルドファースト(子ども優先)社会」の旗印は、単に児童手当や出産育児一時金など福祉分野だけに限ったものではない。「人権、教育から医療、文化まで、あらゆる場面で子どもを守り育む社会の実現」(太田昭宏代表)という骨太の構想だ。
改正案が国会に提出された今、公明党はこの点を改めて確認し、衆参両院での議論も力強くリードしていく決意である。
関連リンク
- 関連する記事は、見当たりませんでした