金正日総書記の病状をめぐって新事実です。韓国政府の高官はJNNに対し、北朝鮮の金正日総書記が8月14日に心筋梗塞で倒れた後、脳卒中を起こし、一時、生命に危険があったとの情報を得ていることを明らかにしました。
「金正日同志が朝鮮人民軍1319軍部隊を視察されました」(朝鮮中央テレビ、8月15日)
北朝鮮のテレビが金正日総書記の動静をこのように伝えた前日、実は異変が起きていたといいます。韓国政府の高官によりますと、金総書記はこの日、持病の心臓病が悪化し、心筋梗塞を起こして倒れました。
集中治療室では亡くなったコ・ヨンヒ夫人の主治医が対応。しかし、心臓病の専門医でなかったため、北朝鮮は中国に直ちに心臓病の専門医を派遣するよう要請したといいます。
マカオに滞在していた長男の金正男氏も、北京経由で急きょ帰国させられました。
中国人民解放軍の病院の専門医3人が、北京の空軍基地から軍用機でピョンヤンに到着。金総書記の緊急処置を行いました。しかし、心臓の血栓が脳にも流れ、金総書記は脳卒中を起こしていました。「心原性の脳卒中」と診断された金総書記は、このとき意識がなく、一時、生命の危険もあったといいます。
さらに、北朝鮮はフランスに対して、脳神経外科の専門医の派遣を依頼。倒れてから10日以上たった25日、医師3人がフランスから北京経由でピョンヤンに入り、治療に当たりました。
金総書記はこのとき既に左の上半身がしびれ、左の足がけいれん、言語が不明瞭な状態だったといいます。
金総書記は今もピョンヤン市内で療養中ですが、韓国政府の高官は、「回復には向かっているものの、左半身と言語に障害が残っており、今後の経過が注目される」と分析しています。
一方、北朝鮮の当局は、金総書記の重病説を否定しています。(20日16:21)