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発信箱:オバマ・ベビー=福本容子

 インターネット上の英語俗語辞典「アーバン・ディクショナリー」に、新しい言葉が加わった。「Obama Baby」。大統領選後の歓喜の中で授かった赤ちゃん、またはオバマ政権の期間中に生まれた赤ちゃん、がその定義である。

 オバマ効果で出生率が上がるとさえ言われ始めた。「Yes We Can」の興奮がベビーブームに火をつけるのだそうだ。本当かな、と思うけれど、産婦人科専門のマニュエル・アルバレズ博士が米誌「ニューズウィーク」に語っている。「国のムードや指導者への期待感と出生率は常に関連性がある」

 なるほど。日本の少子化を考えると急に説得力が出てくる。減る一方の子供の数は、変化のワクワクがある政治や希望を与えてくれるリーダーの到来を催促していたのだ。担当大臣を置いたり少子化対策予算を倍にしてどうなるという話ではない。

 「バラク・オバマ大統領」の喜びは、新生児の名前にも表れ始めている。アメリカ国内ばかりか、オバマさんの父親が生まれたケニアでも赤ちゃんに「バラクちゃん」と名付けるブームが起きているそうだ。

 さて、日本で首相の名前が赤ちゃんの人気ネームになったことは? 毎年、新生児の名前ランキングをまとめている明治安田生命によると、吉田茂首相就任の翌年1947年から59年まで「茂」が男の子のトップ10に入り、51年からは4年連続で首位を占めた。でもこれは例外みたいで、「角栄」も「登」も「純一郎」も上位に登場しない。

 茂さんの孫の太郎さん。あのかんじじゃ、ベビーの名前は厳しいか。「馬楽ちゃん」の方が多かったりして。(経済部)

毎日新聞 2008年11月21日 0時15分

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