一足早い冬将軍の到来とともに懸念されるのがインフルエンザの流行。兵庫県内では今秋、既に伊丹保健所管内から、インフルエンザによる学級閉鎖が報告されており、はやり出しが例年より早くなっている。これから本格的な流行期を迎えるだけに、但馬地方の医療関係者は「ワクチンの接種がインフルエンザに対抗する最大の手段」と強調し、うがいや手洗いとともに早めのワクチン接種を呼び掛けている。
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インフルエンザの予防とワクチン接種を呼び掛けるチラシ
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豊岡健康福祉事務所管内(豊岡市、美方郡)によると、人口と医療機関の分布を考慮した「一定点医療機関当たりの平均患者数」は、十月第二−四週では〇・一以下だったが、五週目に〇・二四、十一月の第一週には〇・三八となり、増加傾向にある。特に十一月第一週は、全国平均の〇・一七の二倍超で、全国的にも高い発生状況となっている。
美方郡内では、昨シーズン(昨年の冬から今年春まで)、新温泉町で三校四学級、香美町で二校七学級が学級閉鎖になった。今シーズンはまだ、患者が報告されていないが、大阪府など近隣の自治体で流行している事例が報告されており、関係機関は警戒を強めている。
同所健康増進課の坪井志保美課長は「インフルエンザは、ひとたび流行すれば急速に患者数が増加する。ほかの人にうつさないようにマスクを着用して早めに医療機関で受診してほしい」と呼び掛ける。
公立村岡病院内科の山田博之医師は「高齢者の方にはワクチン接種を勧めている。手洗いとうがいをきっちりとしてほしい」と注意を促している。