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周産期センター:6割が土日夜間当直1人 妊婦拒否は7割

 産科救急の「最後のとりで」と位置づけられる全国75カ所の総合周産期母子医療センターのうち、夜間と土日の産科の当直医が1人しかいないセンターが計45施設と全体の6割に上ることが、厚生労働省の初の調査で分かった。07年度中に母体の受け入れを一度でも断ったセンターは7割の53施設。受け入れ拒否の理由に集中治療室の満床を挙げる施設が多い一方、診療可能な医師が不在とする施設も2割を超え、産科医不足が母体救命に支障をきたしている実態が裏付けられた。

 厚労省は総合周産期センターの整備指針で産科医の24時間対応を求めており、MFICU(母体・胎児集中治療室)が7床以上なら「複数による対応が望ましい」としている。

 調査によると、MFICUが6床以下のセンター53施設のうち39施設で夜間と土日の当直が1人、7床以上でも22施設中6施設が指針に反して1人だけだった。妊婦の受け入れ拒否問題が起きた東京都の都立墨東病院と杏林大病院も、当時の当直は1人だった。

 また、07年度に母体の受け入れを断った理由(複数回答)は「NICU(新生児集中治療室)の満床」が93%と圧倒的で、56施設は年間の病床利用率が9割を超えていた。MFICU満床による受け入れ不能は59%、医師の不在は23%だった。【清水健二】

毎日新聞 2008年11月21日 0時00分

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