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福岡市立こども病院:移転問題 市議会、住民投票否決 患者家族ら落胆の表情 /福岡

 ◇「市民の声なぜ聞かぬ」

 「私たちは市民の声を聞いてくださいと言っているだけ。なぜできないのか」--。福岡市立こども病院の人工島移転の是非を問う住民投票条例案が市議会本会議で否決された19日、直接請求した患者の家族らは落胆の表情を見せた。本会議では5人の議員が賛成、反対それぞれの立場から討論を繰り広げた。

 冒頭「条例案を否決すべきだ」と決めた18日の第2委員会の委員長報告の後、5人が登壇。条例案に賛成の共産、福岡ネット、社民・市政、無所属の4人が「市長は人工島移転を前提に、名ばかりの検証をした」「住民投票の直接請求は市長や議会に対する大きな政治不信を募らせた結果」などと主張した。一方、民主・市民は住民投票の制度的な問題点を指摘し「市立病院のあり方はこれまで議会で十分審議を重ねてきた」と述べ、住民投票の必要はないとの立場を強調した。採決は、自民、公明、民主・市民、みらい福岡、福政市民の計50人が否決に賛成。共産、福岡ネット、社民・市政、無所属の計12人が否決に反対した。

 直接請求代表者で、患者家族の佐野寿子さん(48)は「正々堂々と受け止めてほしかった。きれいな病院を造っても、緊急時に間に合うのか。子供の命が危ないということをずっと言い続けていかなければならない」と不信感を募らせた。

 吉田宏市長は閉会後「アイランドシティ(人工島)では絶対だめだというところでの見解の違いはなかなか埋めがたい。ただそこが納得いただけていないということは理解をしているので、そこに至った経過を説明するため最大限の努力はしていきたい」と話した。【早田利信、鈴木美穂】

〔福岡都市圏版〕

毎日新聞 2008年11月20日 地方版

 
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