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【長野】携帯端末で文字通訳 塩尻のNPOが市議場で確認実験2008年11月20日
パソコンを活用して聴覚障害者ら“情報弱者”の社会参加をサポートしている塩尻市の特定非営利活動法人(NPO法人)長野サマライズ・センター(不破泰理事長)は19日、携帯電話や携帯ゲーム機を使ったパソコン要約筆記の通訳実験を、塩尻市議会の議場で行った。 携帯ゲーム機を活用した文字通訳は、要約筆記通訳者がパソコンに打ち込んだ文字を、無線LAN(構内情報通信網)を使ってゲーム機の画面に表示する仕組み。学校や講演会会場などで使用されるケースが増えている。 携帯電話の文字通訳は、長野サマライズ・センターと筑波技術大の障害者高等教育研究支援センターが、ソフトバンクモバイルの協力を得て研究開発中のシステム。パソコンに打ち込んだ文字をインターネットを通して携帯電話の画面に表示する仕組みだ。しかし、リアルタイムに文字を表示し続けられるソフトが未完成で、現在は40分ほどの連続表示が可能な段階という。 この日の実験には、長野サマライズ・センターの小笠原恵美子さん(49)ら会員3人と県中途失聴・難聴者協会の浜富美子会長(69)が参加。実際にパソコンで同時通訳した文字を送信し、議場内のどの場所でも携帯端末機に表示できることを確認した。 耳が不自由な浜会長は、利用者の立場から「傍聴席の好きな場所に座り、手元で読めるので便利。持ち運びも簡単でうれしい」と喜んだ。 小笠原さんは「聴覚障害者が参加したい場所に常に文字情報があることが理想。議会もそんな場所であってほしい。パソコンとつないだスクリーンに文字を映し出して読んでもらうより、携帯端末の方が聴覚障害者が利用しやすい。今後、活用の場を広げていきたい」と話している。 (一ノ瀬千広)
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